続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-

『続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-』：砂漠の惑星を舞台にした賞金稼ぎたちの物語

2007年7月27日、Nitroplusより発売された成人向けゲーム『続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-』（原題：TRE DONNE CRUDELI）は、独特の世界観と魅力的なキャラクターで多くのファンを魅了しました。企画・脚本は虚淵玄、原画はNiθが担当し、「空想科学マカロニ大活劇」というキャッチコピーが示す通り、イタリア製西部劇（マカロニ・ウェスタン）を思わせる独特の雰囲気を持つ作品です。興味深いことに、タイトルに「続」と付いているものの、前作は存在しません。エイプリルフールにネタとして公開された後、実際に制作されていることが発表され、話題となりました。

熱砂の惑星スウィートウォーターと、そこに生きる者たち

舞台となるのは、灼熱の砂漠が広がる惑星・スウィートウォーター。かつて機械知性体プロトゾアンによる文明破壊に見舞われたこの星では、電子機器の使用が制限されており、西部劇のような生活様式が営まれています。この荒涼とした星に、様々な思惑を抱えた者たちが集います。

物語の中心となるのは、「黒のフランコ」と呼ばれる大賞金首。50万ドルもの賞金がかけられた彼女は、無法者たちからは英雄視されていますが、その実態は…。彼女の前に現れるのは、冷酷な女賞金稼ぎのリリィ。彼女はフランコの賞金を狙い、執拗に追跡します。さらに、もう一人、フランコを狙う謎の女賞金稼ぎも現れ、三つ巴の戦いが展開されます。

個性豊かなキャラクターたち

それぞれのキャラクターは、マカロニ・ウェスタンの登場人物からインスピレーションを得ている点も特徴的です。

黒のフランコ（イライザ・ウォーロック）： 218件もの起訴罪状を持ち、50万ドルの賞金がかけられた犯罪者。実際はフランコを騙る19歳の少女で、巧妙な策略を用いて金を得ています。トレードマークはレプリカ拳銃「黒の鷹」。
リリィ・サルバターナ： 「禿鷹」の異名を持つ男装の女賞金稼ぎ。銃匠の経験を持ち、自作の銃器を駆使します。レズビアンであり、忠実な従者であるアルフィーと共に活動しています。
名前のない女： 金髪が特徴的な女拳銃使い。フランコと協力関係にあり、賞金を山分けしています。
アルフィー： リリィの助手兼性奴隷。ナイフや銃器の扱いに長け、情報収集やサポート役を務めます。
ジュリアン・メリーウッド： 「スイートウォーター人民解放戦線」の若き首領。理想に燃える純粋な青年です。
クラウス大佐： フランコ逮捕に執念を燃やす冷徹な軍人。
ステファン少佐： クラウスの副官。真面目な性格で、クラウスのやり方に疑問を抱いています。
ボダロ： 「自由革命スイートウォーター」を率いる将軍。革命を隠れ蓑に略奪を繰り返す人物です。
サンチョ： 山賊の頭領。フランコと共謀して銀行強盗を計画します。
ウェルズ・ボロンテ： 市民に圧政を敷く知事。過去に反乱に関わった人物と因縁があります。
* ジョゼフ・エッガー： ゴーストタウンに住む老銃匠。「黒の鷹」の製作者です。

壮大なストーリーと多彩な要素

10年前の反乱、消息不明となった英雄「黒のフランコ」、そして再び現れた彼女を巡る陰謀…。このゲームは、西部劇風の世界観と、個性豊かなキャラクターたちが織りなす複雑な人間ドラマを描いています。さらに、プロトゾアンという先住種族の存在や、彼らが持つ高度な技術、そして「黒の鷹」という伝説の拳銃など、様々な要素が絡み合い、プレイヤーを物語の世界へと引き込みます。

音楽も魅力の一つで、主題歌「Brindiamo!〜俺たちに乾杯」をはじめ、複数の楽曲がゲームを彩ります。また、小説や漫画、パチスロなど、様々なメディアミックス展開もなされています。

『続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-』は、独特の世界観、魅力的なキャラクター、そして奥深いストーリーを持つ、まさに「空想科学マカロニ大活劇」と言える作品です。

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