続・男はつらいよ

映画紹介：続・男はつらいよ

『続・男はつらいよ』（ぞく・おとこはつらいよ）は、1969年11月15日に公開された、根強い人気を誇る「男はつらいよ」シリーズの第2作目です。この映画は、国民的なキャラクターである車寅次郎（渥美清）が、恩師との再会を通じて様々な人生の教訓を学ぶ姿を描いています。また、松竹が製作・配給を行った作品で、同時上映として『喜劇・よさこい旅行』も配信されました。

あらすじ

物語は、車寅次郎がとらやでの短い滞在を終え、旅立つ準備を整えているところから始まります。彼は偶然、葛飾商業学校の恩師である坪内散歩先生（東野英治郎）の英語塾を目にします。寅次郎にとって散歩先生は、数少ない理解者であり、人生の指導者でもありました。久しぶりの再会に心が踊る中、彼は先生の娘、夏子（佐藤オリエ）に一目惚れしてしまいます。こうして彼の日常は一変し、先生宅での盛大な食事会の後、食べ過ぎから病院に運ばれることになります。

病院での困った出来事や、弟分の登（津坂匡章）との脱走劇が続き、寅次郎は遥かに新たなトラブルを起こします。さらに焼肉店での無銭飲食なども加わり、ついには警察のお世話になりさくら（倍賞千恵子）にも迷惑をかける始末。こうして心の整理をつけられずにいた寅次郎は、散歩先生にお別れを告げて旅立ちます。

1ヶ月後、京都を旅していた散歩先生と夏子は、偶然にも啖呵売をしている寅次郎を見かけます。叱られる寅次郎ですが、彼は母親・お菊が京都にいるという事実をほのめかし、先生の強い勧めにより母への再会を果たすことになります。しかし、母親との再会は期待とは裏腹に、厳しい現実を突きつけるものでした。寅次郎は、数十年ぶりに会ったお菊（ミヤコ蝶々）から金をせがまれ、再び失意の底に突き落とされます。

その後は柴又へ戻り、家族や近隣の人々から励まされ、少しずつ元気を取り戻していく寅次郎。散歩先生から「自然に親を捨てるには理由がある」との言葉を受けて考え込む彼。しかし、喜び勇んで持ち帰った天然の鰻を釣った日に、散歩先生が亡くなったことを知らされ、今度は彼自身が悲しみに打ちひしがれます。

葬式では、友人の医師・藤村（山崎努）が現れ、再び夏子との交際を始めたことを知ってしまった寅次郎は、心の中で複雑な感情が交錯します。彼はその後、夏子への想いを胸に、散歩先生に対する感謝を示し、「顔で笑って心で泣く」心境をさくらに打ち明けます。映画の最後には、夏子が藤村と結婚し新婚旅行に出かけ、その様子を見かけた寅次郎の心に何が残るのでしょうか。

逸話とスタッフ情報

『続・男はつらいよ』は前作の好評を受けて制作されたシリーズの続編であり、当初はこれで完結する予定だったことも興味深い点です。また、散歩先生は次回作に再登場するなど、キャラクターたちの人間関係が深く描かれています。

この作品は、監督に山田洋次が指揮し、音楽には山本直純が携わっています。劇中に使用されたクラシック音楽の数々も特徴的で、観客に深い感動を与えました。観客動員数は約48万9000人に達し、数々の賞も受賞しました。

『続・男はつらいよ』は、ただのコメディ映画に留まらず、人間ドラマに深く切り込む物語が描かれた作品です。寅次郎の成長や困難を乗り越える姿は、多くの人々に共感を呼び続けています。

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