維管束植物レッドデータブック (環境省)

維管束植物レッドデータブックについて

「維管束植物レッドデータブック」は、日本に生息する絶滅のおそれのある維管束植物の現状を詳細に記した書籍です。このデータブックは、1997年に環境省が発表したレッドリストを基に編纂され、絶滅危惧種に関する情報を提供しています。特に2000年に発行された版を中心に解説します。

書籍の内容

この辞書の正式なタイトルは『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物8 植物I（維管束植物）』です。ここでは、維管束植物に関する情報が分類され、それ以外の植物（蘚苔類、藻類、地衣類、菌類など）は「植物II」として別に取り扱われています。

絶滅危惧種の分類

データブックには、絶滅に関する異なるカテゴリーが設けられています。それには、以下の分類が含まれます。

• - 絶滅 (EX)

- シダ植物や被子植物などにおける完全な絶滅状態を示しています。

• - 野生絶滅 (EW)

- 自然界では完全に消失した種ですが、培養や庭園においては生存が確認されている場合を指します。

• - 絶滅危惧IA類 (CR)

- 要保護の対象であり、危機的な状況にある種です。

• - 絶滅危惧IB類 (EN)

- 将来的には絶滅の危険があるため注意が求められる種です。

• - 絶滅危惧II類 (VU)

- 残存数が少なく、将来的な消失の可能性がある種に分類されます。

具体的な種の例

このデータブックに掲載されている種は非常に多岐にわたります。以下にいくつかの例を挙げます。

• - シダ植物: ヒトツバノキシノブ (Pyrrosia angustissimum) やウスバシダモドキ (Tectaria dissecta) などが含まれています。
• - 双子葉類・合弁花類: タンバヤブレガサ (Syneilesis aconitifolia var. longilepis) やトヨシマアザミ (Cirsium toyoshimae) などもその一部です。
• - 単子葉類: ホクトガヤツリ (Cyperus procerus)、ムジナノカミソリ (Lycoris sanguinea var. koreana) が挙げられます。

レッドデータブックの意義

このようなデータブックは、絶滅危惧種の保存の重要性を理解する上で非常に重要です。各種の現状を把握し、適切な保護活動を行うことで、貴重な生態系を次世代に引き継ぐことができます。また、研究者や学生、環境保護活動に関わる全ての人々にとっての貴重な情報源でもあります。

関連項目

• - 環境省によるレッドリスト
• - 維管束植物レッドリストの更新状況
• - 様々な生物多様性の保全に関する情報

このデータブックは、単なる植物の一覧ではなく、私たちの周囲の環境に対する理解や意識を深めるきっかけともなり得ます。』『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物8 植物I（維管束植物）』は、そうした意義を持つ重要な冊子です。また、絶滅種や危険状態にある植物の保護に向けた具体的な行動を促す役割も果たすべきです。

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