綱引いちゃった!

映画『綱引いちゃった!』の概要

『綱引いちゃった!』は、2012年に公開された日本のスポーツ・コメディ映画である。この作品は、運動会の出し物とは異なり、8人で行う高度なテクニックと戦略が要求される競技綱引きに焦点を当てている。主人公たちは、実際に存在する大分コスモレディースTCという女子綱引きチームからインスパイアを受けている。

全国253スクリーンで公開され、初日から2日間で約5,983万円を稼ぎ、観客動員ランキングでも6位にランクインした。その後、3日間で興収1億19万円を達成するなど、人気を博した。

ストーリー

物語は、大分市役所の広報課で働く西川千晶が市長から与えられた特命、「女子綱引きチームを結成する」を中心に展開される。かつての大分コスモレディースTCが世界チャンピオンに輝いた実績を持つため、県のPRを目指してチームが必要とされた。しかし、綱引きは地味でマイナーなスポーツのためメンバーを集めるのは簡単ではなかった。

そんな中、千晶の母・容子が働く給食センターが廃止危機に直面し、彼女はこのチームを成立させることでセンターの存続を果たそうと決意する。母親たちに綱引きチームを結成してもらい、全国大会で勝てば廃止を撤回させるといった約束を市長から取り付ける。

しかし、最初は容子を含む7人しか集まらず、チーム「綱娘」を結成するために千晶自身が参加することになる。コーチとして迎えたのは青年・熊田公雄。容子やその友人たちと共に、彼女たちは大会に向けて練習を開始するも、さまざまな問題に直面しながら少しずつ成長していく。

チームは練習の中でコミュニケーションが不足していることや意志の疎通が図れていないことに気付き、その後容子と公雄の助言を受けて再び結束を固めることになる。今後の大会が迫る中、千晶は市長からの条件変更やセンターの廃止に直面しながらも、仲間たちと共に困難に立ち向かい続ける。

キャスト

本作は多様なキャスト陣によって彩られている。西川千晶役には井上真央が起用され、彼女の強い意志と母との絆が描かれる。また、熊田公雄役に玉山鉄二が扮し、チームの指揮を取ることで話の展開に重要な役割を担っている。母役には松坂慶子が登場し、彼女のキャラクターも物語に厚みを加えている。

そのほか、チームメンバーには様々な背景を持つ女優陣が揃い、各々のキャラクターが個性的でおもしろい。彼女たちの練習風景や成長の過程は、見ている側に感動を与える。

製作スタッフ

監督の水田伸生、脚本の羽原大介、音楽の岩代太郎らが手掛けており、主題歌にはDREAMS COME TRUEの「愛して笑ってうれしくて涙して」が使用されている。また、地元の青少年団体や学校も制作に協力し、地域貢献の視点も忘れずに取り組まれている。

この映画は、単なるコメディに留まらず、人々の絆や成長、また地元の活性化を実現する姿を描いている点が魅力であり、観る者に勇気を与えてくれる作品である。

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