綾波 (初代神風型駆逐艦)

綾波（初代駆逐艦）

「綾波」（あやなみ）は、大日本帝国海軍が運用した駆逐艦です。その中でも、初代神風型駆逐艦の最終艦、すなわち32番艦として建造されました。艦名の由来は、幾重にも重なり合って岸辺に寄せる波の情景から取られています。この「綾波」の名跡は、後の大日本帝国海軍における吹雪型駆逐艦「綾波」、さらに海上自衛隊のあやなみ型護衛艦「DD-103 あやなみ」へと引き継がれています。

艦歴

本艦は、明治41年（1908年）5月15日に舞鶴海軍工廠にて起工されました。翌明治42年（1909年）6月26日に無事竣工を迎え、駆逐艦として就役しました。しかし、時代の流れと共にその役割は変化していきます。

大正13年（1924年）には、掃海艇へと類別が変更され、「第9号掃海艇」として再出発しました。さらに昭和5年（1930年）になると、より補助的な役割を担う雑役船へと再び類別が変更され、交通船兼曳船として「公称第757号」の番号が付与されました。

最終的に、昭和8年（1933年）4月19日、本艦は廃船となり、その任務を終えました。

歴代の指揮官

本艦が駆逐艦、掃海艇として運用された期間に指揮を執った主な人物は以下の通りです（就任時の階級は『官報』に基づいています）。

駆逐艦長

松下 惣吉 大尉：明治42年（1909年）6月1日 - 明治42年（1909年）10月11日（兼舞鶴海軍工廠艤装員：- 明治42年（1909年）7月9日）
大谷 喜雄 大尉：明治42年（1909年）10月11日 - 明治44年（1911年）5月23日
藤田 三他人 大尉：明治44年（1911年）5月23日 - 大正元年（1912年）12月1日
柴田 七郎 大尉：大正元年（1912年）12月1日 - 大正2年（1913年）5月24日
横尾 敬義 大尉：大正2年（1913年）5月24日 - 大正2年（1913年）12月1日
吉田 良鋭 少佐：大正2年（1913年）12月1日 - 時期不詳
白戸 光久 少佐：時期不詳 - 大正5年（1916年）9月12日
吉田 健介 大尉：大正5年（1916年）9月12日 - 大正6年（1917年）12月1日
彭城 昌国 大尉：大正6年（1917年）12月1日 - 大正8年（1919年）12月24日
山本 弥七 大尉：大正8年（1919年）12月24日 - 大正10年（1921年）1月10日
堀江 吉正 大尉：大正10年（1921年）1月10日 - 大正10年（1921年）11月20日
池田 七郎 大尉：大正10年（1921年）11月20日 - 大正12年（1923年）2月15日
中原 達平 大尉：大正12年（1923年）2月15日 - 大正12年（1923年）10月20日

掃海艇長

門前 鼎 大尉：大正13年（1924年）12月1日 - 大正15年（1926年）12月1日
有田 貢 大尉：大正15年（1926年）12月1日 - 昭和3年（1928年）11月1日
岡崎 文勳 大尉：昭和3年（1928年）11月1日 - 昭和4年（1929年）11月30日
（兼）萱場 松次郎 少佐：昭和4年（1929年）11月30日 - 昭和5年（1930年）1月20日

参考文献

『官報』

関連項目

吹雪型駆逐艦'>綾波 (吹雪型駆逐艦))（二代目の「綾波」駆逐艦）
大日本帝国海軍艦艇一覧

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