総合科学技術・イノベーション会議

総合科学技術・イノベーション会議について

総合科学技術・イノベーション会議（CSTI）は、日本の内閣府に設置された重要な政策に関する会議の一つです。内閣総理大臣が議長を務め、科学技術政策に関連する総合的かつ基本的な政策の企画及び調整を行います。目的は、日本全体の科学技術を俯瞰して議論し、政策の立案を行うことです。この会議は関係各省の意見を統合し、科学技術の発展を促進する役割を果たします。

構成員とその役割

会議の議長である内閣総理大臣の下、議員は14人以内で構成され、これには関係閣僚や民間の有識者が含まれます。民間の有識者は内閣総理大臣によって任命され、衆議院及び参議院の同意を得る必要があります。また、会議のロゴには、日本政府の紋章である五三桐が使用されています。一般的に民間の有識者から選出された議員は、3年の任期を持ち、再任も可能です。

所掌事務

会議の所掌事務は内閣府設置法第26条により定められています。具体的には、内閣総理大臣の諮問に応じて、科学技術の総合的かつ計画的な振興のための基本政策の調査・審議、市場や人材、研究開発の資源配分における重要事項の調査・審議、さらには国家的な研究開発の評価も行っています。また、研究開発の成果を活用してイノベーションを促進するための環境整備に関する重要事項についても議論されます。

主な答申と決定

これまでに会議は多数の答申や意見具申を行っています。代表的なものには、「科学技術に関する総合戦略」、「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針」などがあります。特に、科学技術に関する重要テーマに関しては、2001年以降多くの答申が作成されており、年ごとに続けられています。また、科学技術政策に関連した大臣からの諮問も数多くあり、その結果は日本の科学技術政策形成において非常に重要な役割を果たしています。

歴史と背景

総合科学技術・イノベーション会議の前身は科学技術会議であり、2001年に設置された「総合科学技術会議」が基本となっています。2014年には、内閣府設置法の一部が改正され、現在の名称に改組されました。この改組により、科学技術政策の司令塔機能が強化されることになり、日本の科学技術政策をより効果的に進める体制が整いました。

産学官連携と表彰制度

産学官連携の推進を目的とした表彰制度も設けられており、科学技術イノベーションに貢献した個人や団体に対して「産学官連携功労者表彰」が行われています。これは、内閣総理大臣賞を始め、各大臣賞などが含まれ、非常に権威ある表彰となっています。また、2018年度にはこの制度がリニューアルされ、「日本オープンイノベーション大賞」が創設され、オープンイノベーションの活動を表彰することで、さらなる創造性の促進を目指しています。

まとめ

総合科学技術・イノベーション会議は、日本の科学技術政策形成の中心を担う重要な機関であり、その影響力は大きいです。内閣府の下で多様な専門家が集まり、科学技術に関する重要な課題を協議することで、日本の将来の科学技術を支えています。これからもより一層の機能強化と活動の充実が期待されます。

もう一度検索