総合科学研究機構

総合科学研究機構（CROSS）について

総合科学研究機構（そうごうかがくけんきゅうきこう）は、茨城県土浦市に本部を構え、真空科学研究所を前身とする一般財団法人です。略称はCROSSで、多様な分野における科学技術の進展を目的とし、産官学連携を促進する機関としての役割を果たしています。

設立の経緯

総合科学研究機構は1988年11月10日に設立されました。当初は真空技術に特化した産学連携の研究所としてスタートし、高エネルギー物理学研究所の教授、石丸肇氏が代表者として活躍しました。1998年には環境の変転や石丸氏の死去を受け、既存の事業が維持困難になったことから改組され、現在の形での総合科学研究機構として生まれ変わりました。

さらに2011年には公益法人制度改革に合わせて一般財団法人へと移行。また、同年に東海事業センター（後の中性子科学センター）を設立し、中性子線施設の利用促進事業を開始しました。設立以来、基本財産として1億円が設定されています。

事業内容

CROSSでは多岐にわたる事業を展開しています。年3回発行される情報誌『CROSS T&T』は、研究の成果や最新の動向を広く関係者に発信する重要な媒体です。また、学術講演会を開催し、研究者同士のネットワークを強化し、知見の共有を促しています。

さらに、科研費申請支援や特定先端大型研究施設の共用促進に関するさまざまなサポートを行い、研究者が持つ計画を実現するお手伝いをしています。特に、J-PARC（日本の大規模粒子加速器施設）の中性子線施設の利用登録促進機関としても機能しており、先端の研究技術へのアクセスを提供しています。

組織と監督

CROSSは茨城県教育委員会の監督を受けています。所在地は、茨城県土浦市上高津の筑波産学協同棟です。これまでの歴代理事長には、東京大学名誉教授の宮本梧楼氏や高良和武氏、岡田雅年氏など、各分野での権威が就任しており、現在は横溝英明氏が中性子科学センター長と兼務で事業をリードしています。

関連法人

研究機構の活動を広げる一環として、関連法人として学校法人筑波研究学園も存在します。これにより、学術研究だけでなく、教育的な取り組みにも力を注いでいます。

まとめ

総合科学研究機構は、真空科技術の研究から始まった歴史ある法人で、今日では広範な科学分野への貢献を目指して活動を行っています。研究者同士の交流の場を提供し、先端技術へのアプローチをサポートする仕組みを整え、多様な科学研究の発展に寄与しています。

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