緑ヶ丘公園 (帯広市)

緑ヶ丘公園：歴史と自然が織りなす帯広のオアシス

北海道帯広市に位置する緑ヶ丘公園は、豊かな自然と歴史が調和した、市民に愛される憩いの場です。その歴史は、かつてこの地に存在した北海道集治監十勝分監（後の十勝監獄）の跡地利用にまで遡ります。数次にわたる用地解放を経て、公園として整備され、帯広町議会議員であり北海館（現在の北海道ホテルの前身）経営者でもあった小泉碧氏の名を冠して命名されました。

公園の開設以来、野球場や陸上競技場などのスポーツ施設が整備され、国民体育大会スピードスケート競技が開催された特設リンクも存在しました。飛行場として利用されていた時期もありましたが、現在は、文化施設、運動施設、遊具施設、そして数々の歌碑や文化財が調和した、多様な魅力を有する公園として発展を遂げています。

園内は散策に適した遊歩道が整備されており、市民の散歩や憩いの場として親しまれています。毎年1月下旬から2月上旬にかけて開催される『おびひろ氷まつり』や、5月には『おびひろ桜まつり』など、季節ごとのイベントも盛況で、多くの来園者で賑わいます。

歴史の足跡：監獄跡地から市民の公園へ

1929年（昭和4年）の開園以来、緑ヶ丘公園は幾多の変遷を経てきました。1958年（昭和33年）には野草園が開園し、1963年（昭和38年）にはおびひろ動物園が開園するなど、レクリエーション施設が充実。1976年（昭和51年）には帯広刑務所が移転したことで、公園としての空間がより広がりました。その後も、帯広百年記念館（1982年）、北海道立帯広美術館（1991年）などの文化施設が相次いで開館。市民の文化活動を支える拠点としての役割も担うようになりました。

2007年（平成19年）には、「日本の歴史公園100選」に選定され、2013年（平成25年）には日本造園学会北海道支部による「北の造園遺産」にも認定されるなど、その歴史的・文化的価値が広く認められています。

公園施設：多様なニーズに応える多彩な空間

緑ヶ丘公園には、多様な施設が点在しています。

みどりと花のセンター: 植物広場を中心に、休憩スペース、緑化活動の普及啓発、公園・街路樹管理などを担う施設です。緑に関する講習会や相談会なども開催されています。
帯広百年記念館: 博物館機能と創造活動機能を併せ持つ複合施設。アイヌ民族文化情報センター「リウカ」も併設されています。
帯広市児童会館: 児童文化センターと青少年科学館（プラネタリウム、天文台）を備えた社会教育施設です。
野草園: 82科375種あまりの野草や樹木が自生する、自然豊かな空間です。季節ごとのイベントや観察会も開催されています。
おびひろ動物園: 北海道で2番目に開園した動物園。73種400点あまりの動物を飼育しており、遊園地や氷雪の家（植村直己記念館）も併設されています。
北海道立帯広美術館: 道東ゆかりの作家の作品などを中心に展示する美術館です。

その他の施設と魅力

公園内には、これらの施設以外にも、8ヘクタールの芝生広場「グリーンパーク」、彫刻家本郷新の作品が並ぶ「彫刻の径」、かつての十勝監獄の石油庫（帯広市指定文化財）、桜並木、多目的広場、児童遊園など、数多くの見どころがあります。また、テニスコート、ゲートボール場、パークゴルフ場などのスポーツ施設も充実しており、老若男女問わず楽しめる空間となっています。

緑ヶ丘公園は、単なる公園の枠を超えて、帯広市の歴史と文化を象徴する場所であり、市民の生活に深く根付いた貴重な存在です。今後も、自然と歴史が調和した魅力的な空間として、多くの人々に愛され続けることでしょう。

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