線審

線審：競技を支える重要な役割

球技において、正確な判定は試合の公平性を保つ上で不可欠です。その判定を担う役割の一つに「線審」があります。線審は、競技場に引かれたラインとボールの位置関係を正確に判断し、主審をサポートする重要な役割を担っています。しかし、競技によって線審の名称や配置、役割は異なります。この記事では、代表的な球技における線審について詳しく見ていきましょう。

野球：外審の役割

野球では、6人制の審判員の中で、ライトとレフトの両翼に配置される審判員を「線審」または「外審」と呼びます。近年では「外審」という名称が一般的です。外審は、フェアボールかファウルボールかの判定、ホームランの判定などで、主審をサポートします。

サッカー：副審への名称変更

サッカーでは、かつてタッチライン沿いに配置される審判員を「線審（linesman）」と呼んでいました。しかし、線審の役割が拡大し、女性審判員も登場するようになったことから、名称の見直しが行われました。「linesman」という名称が男性限定的であるという意見も背景にありました。「ラインズウーマン (lineswoman) 」や「ラインズパーソン (linesperson)」といった用語が一時的に使用されましたが、1996年に国際サッカー連盟は、名称を「副審 (assistant referee)」に変更しました。副審は、オフサイドの判定やゴール判定など、より幅広い役割を担うようになっています。

テニス：ラインジャッジの精密な判定

テニスでは、複数の「線審 (line umpires)」が配置され、各ラインの判定を主審に伝えます。線審の人数は大会によって異なり、ウィンブルドン選手権では最大9人が配置されることもあります。近年では、技術の進化により、一部の大会では「ホークアイ・ライブ」と呼ばれる自動判定システムが導入され、線審を配置しない試合も実施されるようになっています。このシステムは、ボールの軌跡を正確に捉え、判定の精度を高める役割を果たしています。

バレーボール：コート4隅を守るラインジャッジ

バレーボールでは、4人の「線審 (line judges)」が配置されています。コートの4隅（左右のサイドライン後方、エンドラインの両側）に2名ずつ配置され、赤または黄色の旗を使って判定を知らせます。彼らは、ボールがインかアウトかを正確に判断する役割を担います。

まとめ

このように、線審は競技によって名称や配置、役割が異なります。しかし、いずれの競技においても、線審は試合の正確性と公平性を担保するために不可欠な存在です。近年は、テクノロジーの進化によって、線審の役割や働き方も変化しつつあります。今後、さらに技術革新が進めば、線審の役割はどのように変化していくのか、注目すべき点です。また、それぞれの競技で、線審の正確な判定を支えるためのトレーニングや教育体制の充実も重要と言えるでしょう。

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