練馬三億円事件

練馬三億円事件

1990年6月2日深夜、東京都練馬区で発生した練馬三億円事件は、建設会社「内野工務店」の社長宅に2人組の男が押し入り、社長を含む家族7人を約38時間にわたり監禁、3億円を強奪した事件です。この事件は、犯人の一人が後に連続殺人事件を起こし死刑が確定したことで、社会に大きな衝撃を与えました。

事件の概要

事件は、内野工務店の新座営業所に、区役所職員を名乗る男からの電話から始まりました。その後、男2人組は営業所に押し入り、常務を脅迫。社長宅へ連行し、社長一家を監禁しました。

犯人たちは、拳銃のようなものと刃物で家族を脅し、手足を縛り、38時間にも及ぶ監禁を実行。最終的に、3億円を要求し、会社の社員に銀行から現金を引き出させ、受け取るとともに、車を奪って逃走しました。被害者たちは、監禁中食事も与えられず、精神的にも大きな苦痛を強いられました。

犯人

主犯X

事件当時45歳。内野工務店の元下請け業者で、右翼団体「愛国塾」の塾長を自称していました。Xは、小田島と同じく北海道出身で、窃盗などで逮捕歴がありました。府中刑務所で小田島と知り合い、共謀して事件を計画。内野工務店の内情にも詳しかったことから、犯行に及んだとされています。

事件後、Xは高級住宅に引っ越したり、多額の預金をするなど不審な行動が目立ち、警察の捜査で小田島との共犯が明らかになりました。逮捕後、懲役13年の判決を受けました。

小田島鐵男

事件当時47歳で無職。窃盗の常習犯で、前科11犯でした。Xと共に事件を起こし、懲役12年の判決を受け服役。出所後、同房で知り合った男と連続殺人事件を起こし、死刑が確定しました。

小田島は、事件後海外旅行を繰り返したり、高級マンションに住むなど、犯行で得た金を使っていたことが判明しました。また、逮捕を逃れるため海外に逃亡するなど、狡猾な一面も見せていました。

捜査の過程

事件発生直後から警察は捜査を開始。被害者からの事情聴取や現場検証の結果、犯人たちが内野工務店の事情に詳しいことが判明。また、第三者の関与や、組織的な犯行の可能性も視野に入れ捜査が進められました。

匿名の情報提供や、内野工務店の下請け業者に対する捜査から、Xと小田島が浮上。小田島の逮捕から、事件は解決へと向かいました。警察はXを全国指名手配し、後に逮捕しました。

裁判とその後

東京地方裁判所は、Xに懲役13年、小田島に懲役12年の判決を言い渡しました。小田島はその後、連続殺人事件で死刑判決を受けました。

この事件は、犯人たちが事前に周到な計画を立て、被害者を脅迫し、多額の現金を強奪した、悪質な事件として社会に大きな影響を与えました。また、犯人の一人が後に連続殺人事件を起こしたことで、事件の背景にある闇も浮き彫りになりました。

事件の教訓

練馬三億円事件は、計画的な犯罪が、いかに大きな被害をもたらすかを教えてくれます。また、犯人たちが一度犯罪に手を染めると、更なる犯罪に繋がる可能性もあるという、負の連鎖を示唆しています。この事件を教訓に、社会全体で犯罪を未然に防ぐための対策を講じていく必要があるでしょう。

参考文献

刑事裁判の判決文
各種報道記事

関連項目

マブチモーター社長宅殺人放火[[事件]]
前科
累犯
再犯

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