縁結び

縁結び（えんむすび）

縁結びは、2004年に株式会社中島稲育種研究所の八尋義輝によって育成が始まったイネの品種です。この品種は、「ホシアオバ」を花粉親とし、「夢ごこち」を種子親として交配により誕生しました。命名の由来には、お米を通じて多くの人との出会いを大切にしたいという思いが込められています。また、2015年には育成者権が株式会社アグリトレードに移り、品種登録が出願されていました。

基本情報

この稲の栽培が適しているのは、主に東北地方南部以南の地域で、熟期は晩生の中に位置づけられています。収量は多く、食味も非常に良好です。茎が太く、丈夫なため、倒伏や病気に対しても強い特徴があります。また、タンパク質含量も低く（5.5%）、ほどよい粘りを持つことで、一般的に受け入れられやすいお米となっています。

2017年産の縁結びは、新潟県、長野県、岐阜県、愛知県での産地品種として認知され、翌年の2018年には富山県、三重県、福井県にも広がるなど、徐々にその知名度を高めていきました。特に、縁起の良い名前が影響し、神社での取扱いや結婚式の引出物としての需要が増加しています。

商品展開

さらに、株式会社アグリトレードでは、同じグループに属する株式会社和鑠に製造を委託し、「縁結び」を原料とした団子を販売しています。この商品は「金の玄米だんご」としてのブランド名で市場に出回り、さらなる人気を集めています。

育成の歩み

縁結びの育成は、2004年に「夢ごこち」と「ホシアオバ」の交配から始まりました。2005年の冬にF1世代を養成し、夏にはF2世代の集団栽培を実施しました。さらに2006年冬にはF3世代の栽培を行い、同年の夏にF4世代で個体選抜を行いました。2007年以降は系統栽培と系統選抜が行われ、その後の進展も続いています。

2009年には「N系65」という系統名での収量試験が開始され、株式会社ハラキンがこの系統種子の権利を購入しました。2013年からは岐阜県で試験栽培が行われ、次第に愛知、新潟、富山、福井、長野、滋賀県にまでエリアが拡大していきました。

2015年には株式会社ハラキンが育成者権を取得し、種子販売のために株式会社アグリトレードを設立。「N系65」は縁結びとして品種登録が出願され、具体的な商品展開が進んでいます。

このように、縁結びは単なる穀物の品種に留まらず、文化や人との関わりを大切にした特別な存在となっています。食文化の一端を担いながら、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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