縣神社 (下呂市)

岐阜県下呂市萩原町に位置する縣神社は、地域の人々から大切にされてきた単立の神社です。かつては村社として地域社会に深く関わってきました。

祭神

主祭神は、五穀豊穣を司る御歳神です。この神様は、人々の生活に欠かせない作物の実りを守護するとされています。

また、以下の神々も合祀されています。

家津御子神（家都御子神）：紀伊国熊野三山に祀られる神で、家内安全や子孫繁栄の神として信仰されています。
熊野久須美命（熊野牟須美神）：熊野三山の神で、縁結びや夫婦円満の神として知られています。
速玉男命：熊野速玉大社に祀られる神で、交通安全や災厄除けの神として崇められています。
素戔嗚命：日本神話に登場する英雄神で、厄除けや病気平癒の神として信仰されています。
大山祇神：山の神、農業神として知られ、山の安全や豊作を祈る神として信仰されています。

由緒

縣神社の神体は、山形の天然石です。神社は、桜洞扇状地の水田地帯のほぼ中央に位置しており、その場所は、古くから人々の生活の中心であったと考えられます。神社の由緒書きによると、この地は開拓の初期から、鍬入れや縄張りの場所として重要視され、後に田畑の守護神、穀物守護の神として御歳神が祀られるようになったと伝えられています。神社一帯は神田（じんでん）遺跡と呼ばれる縄文遺跡であり、発掘調査では住居跡や人骨も発見されており、この地が古代から人々の生活の場であったことが伺えます。

沿革

神社の創建時期は不明ですが、以下のような歴史を辿っています。

元禄3年（1690年）に再建されました。
明治5年（1872年）に村社に指定されました。
明治41年（1908年）には、桜洞区域内の熊野神社、天王社、山神社2社、計4社が合祀されました。
昭和27年（1952年）に宗教法人縣神社となりました。

文化財

境内には、岐阜県指定天然記念物である「県神社のスギ」がそびえ立っています。これは、樹齢数百年に及ぶ巨木で、神社の歴史と自然の雄大さを感じさせる存在です。


まとめ

縣神社は、古代から現代に至るまで、地域の人々の信仰と生活に深く結びついた神社です。その歴史と文化は、現代に生きる私たちにとっても貴重な遺産であり、この神社を訪れることで、この地の歴史や文化、人々の暮らしを感じることができます。

参考文献

『萩原町誌』萩原町、1962年
『萩原町史』萩原町、2002年
『飛騨 桜洞・沖田』萩原町教育委員会、1974年

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