繊維及び繊維製品（衣類を含む。）に関する協定

繊維及び繊維製品に関する協定（繊維協定）

繊維及び繊維製品協定、通称「繊維協定」は、1994年に実施されたウルグアイラウンドの交渉結果として成立した。これは、世界貿易機関（WTO）を設立するためのマラケシュ協定の一部として附属書に含まれ、1995年に法的効力を持つ条約として発効した。日本では、国会の承認を得た条約として扱われ、「平成6年条約第15号」という法令番号が付されている。

概要

繊維協定は、WTO設立協定の附属書1Aに位置する一括受託協定である。この協定は、繊維製品に関する国際的な貿易を規制する枠組みを提供し、特に衣料品を含む繊維製品の取引に重要な役割を果たしている。繊維貿易は、1962年の「綿製品長期取極（LTA）」および1974年の「多角的繊維取極（MFA）」によって、貿易に特有の規律が設けられていたが、これらはガット（一般貿易に関する協定）から独立した形式を取っていた。

従来の協定においては、輸入制限が課され、ガットの原則とは異なる運用がなされていた。このため、ウルグアイラウンドでは、繊維貿易を段階的にガットの規律に統合し、自由化を進めることが合意された。繊維協定は、こうした合意の具現化であり、具体的には三段階での統合を行うことが定められている。

制限事項と終了

繊維協定は、一定の期間を設けて実施されるため、10年間の期限付きであり、さらにその期間の延長は行われないことが明記されている。予定通り、2005年1月1日には協定の効力が終了した。この期間中、各国は繊維貿易における輸入制限を段階的に緩和し、自由貿易の方向に進んでいった。これにより、世界的な繊維産業の構造も大きく変化し、多くの国が新たな貿易環境に適応するための政策を模索することとなった。

まとめ

繊維及び繊維製品に関する協定は、国際的な貿易体系の中で非常に重要な役割を担っており、特に発展途上国においては経済成長を促進する機会を提供した。本協定は、繊維貿易の自由化を通じて国際経済の一体化を推進し、参加国の間における競争力のバランスを図る手段として機能していた。

このように、繊維協定は現在の繊維貿易のルールを形成する上での基本となるものであり、国際経済における重要な議題でもある。

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