織田信長伝

織田信長伝

『織田信長伝』（おだのぶながでん）は、1998年にコーエーテクモゲームスからリリースされたゲームソフトで、「英傑伝シリーズ」の第4作にあたります。これは、戦国時代の名将・織田信長をテーマにしたターン制のシミュレーションRPGであり、プレイヤーは信長の生涯を追体験し、選択によって物語を進めていくことができるゲームです。

発売と移植

本作は、当初Microsoft Windows版として1998年9月に発売され、その後PlayStationへも移植されました。また、コーエー定番シリーズなどの廉価版も展開され、幅広いユーザーに親しまれています。この作品は、プレイヤーが信長として様々な戦略を用いて天下統一を目指す一方で、史実通りに本能寺の変を迎える可能性もあるなど、リアルな歴史の中に架空の要素をうまく織り交ぜています。

ゲームの特徴

ゲームの基本的な流れは、ストーリーイベントと戦闘の準備、戦闘を繰り返すシンプルな構成となっています。前作『毛利元就 誓いの三矢』からはシステムを受け継いでいるものの、施設の利用や会話パートといった要素は大幅に削除されています。その代わり、より多くのシナリオ分岐が用意されており、プレイヤーの選択によって進行が大きく変わる仕組みが魅力的です。例えば、史実では勝利した戦闘においても、敗北した場合には即ゲームオーバーになることはなく、新たな展開が待っています。

戦闘システムの変更

もう一つの特筆すべき点は、敵軍のレベルがプレイヤーの自軍のレベルに応じて変化することです。以前の作品では、敵軍のレベルはシナリオごとに固定されていましたが、本作ではその動的な変化が求められます。また、演習場のような施設が存在せず、各戦闘パートにおいて計画的に部隊のレベルを上げる戦略が必要となります。

職業と技能の変化

部隊の職業も大幅に変更されており、削減された職業の代わりに、武器の装備を変更することで職業が変化する仕組みが導入されました。例えば、織田信長は槍騎兵、刀騎兵、鉄砲騎兵などから選択できます。また、技能は以前のように職業によって決まるのではなく、各武将に固有のものが設定されることになっています。

武将の獲得

プレイヤーが配下に加えられる武将の数も減少しており、約半数程度になっていますが、その分、各武将には独自の能力や技能が反映されています。これにより、プレイヤーはその特性を活かした戦略を考えることが求められます。

関連性のある作品

本作の影響は他のゲームにも見られ、人気シリーズ『三國無双』では織田信長が隠しキャラクターとして登場し、ゲーム内の専用BGMはこの作品の合戦時の音楽をアレンジしたものとなっています。また、『信長の野望・武将風雲録』では本作に登場する武将の顔グラフィックが多く流用されています。

『織田信長伝』は、信長の歴史を感じながら自分だけの物語を紡ぐことができる魅力あるゲームタイトルです。

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