纐纈一起

纐纈一起（こうけつ かずき）

プロフィール

纐纈一起氏は、1956年生まれの日本の地震学者であり、東京大学地震研究所に所属しています。地震学における広範な知識と長年の研究経験を持ち、地震に関する数多くの著書や論文を発表しています。

学位

1987年3月：東京大学にて理学博士号を取得

主な著書・監修

纐纈氏は、地震に関する一般向けの解説書から専門的な研究書まで、幅広い著作活動を行っています。主な著書には以下のようなものがあります。

『地震の大研究 恐ろしい自然現象 起こるしくみからそなえまで』 （2009年、PHP研究所）
大木聖子氏との共著で、地震のメカニズムから防災対策までを分かりやすく解説しています。
『超巨大地震に迫る 日本列島で何が起きているのか』 （2011年、NHK出版新書）
大木聖子氏との共著で、日本列島における超巨大地震のリスクについて詳細に論じています。
『地震・津波と火山の事典』 （2008年、丸善）
藤井敏嗣氏と共同編集で、地震、津波、火山に関する包括的な知識を提供しています。
『地震動の物理学』 （2018年、近代科学社）
地震動の物理現象を詳細に解説した専門書です。
『地震: どのように起きるのか』 （2020年、丸善出版）
一般読者向けに地震発生のメカニズムを解説した書籍です。
『MS‐DOS (OSシリーズ)』 （1988年、共立出版）
鷹野澄氏との共著で、MS-DOSに関する解説書です。専門分野とは異なる著書ですが、纐纈氏の幅広い知識が窺えます。

主な論文

纐纈氏は、学術論文においても多くの業績を上げています。特に、地震の震源決定や地震波の伝播に関する研究で知られています。

深さが負にならない震源決定 （1989年、『地震 第2輯』）
震源決定における深度の制約に関する研究です。
沈み込み帯における3次元レイトレーシング （1991年、『地震 第2輯』）
沈み込み帯における地震波の伝播を3次元的に解析した研究です。
不整形地盤における地震動 （1991年、『土木学会論文集』）
不整形な地盤における地震動の特性を分析した論文です。

共著論文

纐纈氏は、多くの研究者と共同で論文を発表しており、地震学研究の発展に貢献しています。以下に主な共著論文を挙げます。

国立大学観測網地震カタログの震源決定処理 （1989年、『地震 第2輯』）
坪井誠司、鷹野澄氏らとの共著で、地震カタログの震源決定処理について論じています。
近地地震波の伝播に関する理論 （1989年、『地震 第2輯』）
竹中博士氏との共著で、近地地震波の伝播に関する理論について考察しています。
地震予知観測情報ネットワークにおけるリアルタイム地震データの統合処理 （1990年、『東京大学地震研究所彙報』）
鷹野澄、坪井誠司、宮武隆氏らとの共著で、リアルタイム地震データ処理に関する研究です。
3次元AL法による堆積盆地の地震動解析 （1990年、『東京大学地震研究所彙報』）
大堀道広、南忠夫氏らとの共著で、堆積盆地における地震動解析に関する論文です。
「建物被害率の予測を目的とした地震動の破壊力指標の提案」（2002年、日本建築学会構造系論文集）
境有紀、神野達夫氏らとの共著で、建物被害率予測のための地震動指標を提案しています。
「震度の高低によって地震動の周期帯を変化させた震度算定法の提案」（2004年、日本建築学会構造系論文集）
境有紀、神野達夫氏らとの共著で、震度算定法に関する研究です。
「大都市圏の地震環境と強震動予測」（2006年、『地震研究所彙報』）
小林励司氏との共著で、大都市圏における地震環境と強震動予測に関する論文です。
新しいフィリピン海プレート形状と統合三次元速度構造モデルを用いた1923年関東地震の強震動評価（2006年、『地震研究所彙報』）
三宅弘恵、小林励司氏らとの共著で、関東地震の強震動評価に関する研究です。
2001年芸予地震の強震動分布と深部地下構造 （2002年、『地震 第2輯』）
古村孝志氏との共著で、芸予地震の強震動分布と地下構造の関係を研究しています。
2000年伊豆諸島群発地震における式根島の震度異常と地盤増幅特性 （2001年、『地震 第2輯』）
古村孝志、坂上実、山中佳子、高橋正義氏らとの共著で、伊豆諸島における震度異常と地盤増幅特性を分析しています。

研究分野

纐纈氏の研究分野は、地震学の中でも多岐にわたります。特に、地震波の伝播、震源メカニズム、地盤の地震動特性などに関する研究に力を入れています。また、地震防災にも関心が高く、一般向けの啓発活動にも積極的に取り組んでいます。

外部リンク

東大地震研・応用地震学研究室
慶應義塾研究者情報データベース
本人による研究紹介と主要論文一覧




纐纈一起氏は、地震学の分野において重要な貢献をしており、その研究成果は地震防災の向上に役立てられています。

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