罪に濡れたふたり

罪に濡れたふたり

『罪に濡れたふたり』は、北川みゆきによる少女漫画で、1998年から2004年まで『少女コミックcheese!』に連載されていました。この作品は全18巻、文庫版では全9巻から成り、累計450万部以上の売り上げを記録しています。物語は、禁断の愛に焦点を当てたものであり、特に姉弟の近親相姦を題材にしています。

概要

本作は、長い時間離れ離れであった姉弟が再会し、互いに惹かれ合いながらも禁じられた愛に挑む様子が描かれています。物語の最後には劇的な展開が待ち受けており、北川みゆきは「ぐったりする程の集中力」でラスト2話を執筆したと語っています。この作品は、テーマの特殊性ゆえに賛否が分かれながらも、多くの読者に深い印象を与えました。

あらすじ

物語の主人公、鈴村香純は、傷心旅行でイタリアを訪れ、そこで鈴村由貴と運命的な出会いを果たします。二人は互いの名前も知らぬまま、一夜を共にしますが、帰国後に両親の離婚を通じて、実は姉弟であることが判明します。香純の母親が父の死後、由貴を引き取る形で二人は一緒に生活を始めます。

初めは姉弟という事実を理解しつつも、それに抗いながら心の絆が深まっていきます。二人は自分たちの関係が罪であることを認識しながらも、愛し合う道を選びます。由貴は戸籍を調べ、血の繋がりがないことを願いますが、叶わぬ願いであることに気付くことになります。

さらに、物語は恭子の妊娠問題や和樹の悲劇的な死、母親の反対などの困難によって波乱に満ちた展開を迎えます。しかし、二人は互いへの愛を貫く決意を固めていきます。

登場人物

鈴村家

• - 鈴村 香純（すずむら かすみ）: 物語の主人公で、19歳の女子大生。父親似で小柄な体型をしており、初対面では未成年に見られることが多いです。香純は冷たい性格の由貴に惹かれながらも、感情の葛藤を抱えています。
• - 鈴村 由貴（すずむら よしき）: 香純の弟で、ローマに留学中に香純と出会います。長身で女性に人気がありますが、性格は冷めている部分があります。物語を通じて、自身の感情を見つめ直し、香純との関係を深めていきます。

関係者

• - 鈴村 由香（すずむら ゆか）: 香純と由貴の母親。仕事中心で子育てが疎かになっている部分があります。子ども二人の関係を知ってからは、何とか引き離そうと画策します。
• - 浅田 恭子（あさだ きょうこ）: 由貴の恋人で、物語内でお互いが複雑に絡み合いますが、由貴との別れを経験しつつ彼女の執着が描かれます。

• - 沢村 和樹（さわむら かずき）: 香純の幼馴染で片想いをしていますが、二人の愛を理解し受け入れる姿勢が見られます。彼の存在は、香純にとって大きな支えとなります。

このように、『罪に濡れたふたり』は禁断の愛が引き起こす葛藤や苦悩を描いた物語で、登場人物たちの複雑な人間関係が巧みに描写されている作品です。

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