罪人の嘘

罪人の嘘

『罪人の嘘』は2014年に放送された日本のサスペンスドラマで、全5話から構成されています。WOWOWの「連続ドラマW」枠で放送され、脚本を担当したのは金子ありさです。金子は約3年にわたる取材を基に、深いテーマ性を持ったストーリーを展開しました。物語の中心には、手段を選ばない名高い弁護士・笠原卓也と、新たに登場する人情派弁護士・楠之瀬正志の関係が描かれています。このドラマは「人が人を裁く」というテーマを掘り下げ、視聴者にさまざまな疑問を与えます。

あらすじ

連続強姦殺人事件の犯人・有村は無罪となり、その弁護を担ったのが高級弁護士の笠原です。彼は大企業の日京ホールディングスでのアレルギー死亡事故でも無罪を勝ち取るほどの腕を持ち、その成功によって羽根田会長から顧問弁護士として迎え入れられます。一方、楠之瀬は有村の弁護を途中で辞退し、次の依頼としてグランドエアラインの貨物機事故の訴訟を引き受けます。笠原はその案件の弁護人として、再び楠之瀬と対峙することになります。この法廷での対立が、人情を重んじる楠之瀬と傍若無人な手法を取る笠原の間で繰り広げられるのです。

登場人物

東京アサイズ法律事務所

笠原 卓也（演：伊藤英明）: 大手企業を中心に弁護を行う腕利きの弁護士で、非常に目立つ成功を収める一方、手段を選ばないスタイルで知られています。

広瀬 祐（演：中村蒼）: 笠原のアシスタントを務める新米弁護士です。

大垣 宇一（演：北見敏之）: 東京アサイズ法律事務所の代表弁護士です。

楠之瀬法律事務所

楠之瀬 正志（演：滝藤賢一）: 情に厚く正義感の強い弁護士。グランドエアラインの事故で被害者遺族を弁護します。

児童養護施設関係者

松本 康子（演：木村佳乃）: 笠原の幼なじみで、小さな診療所を開業している医師です。

松本 省吾（演：渋川清彦）: 康子の兄で、笠原の過去を知る数少ない人物です。

ストーリーの深層

この作品は、法廷だけでなく、登場人物たちの過去や人間関係も巧みに描かれています。特に、笠原のやり口が彼の過去にどのように影響を与え、また楠之瀬が彼をどう受け止めているのか、その対比にも注目が集まるでしょう。物語が進むにつれて、正義とは何か、そしてその正義に対抗するために人がどのような手段を使うべきかという問いかけが、視聴者に深く考えさせる要素となっています。

監督と製作

監督の瀬々敬久は本作で連続ドラマの初監督を務め、新たな視点から作品を仕上げました。また、この作品は、2016年において連続ドラマWで最後のオリジナル脚本による作品となったことも特筆すべき点です。作品の音楽は林祐介が担当し、法的監修は本村健太郎が行うなど、クオリティの高い制作が実現しました。視覚的にも聴覚的にも魅力を持つこのドラマは、法律という難解なテーマをエンターテインメント性を持って描き出しています。

このように、『罪人の嘘』は視聴者に多くの問いを投げかけるだけでなく、弁護士たちの葛藤や信念をリアルに描いた作品です。

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