羅小黒戦記

『羅小黒戦記』の魅力と成長の軌跡

『羅小黒戦記』（ロシャオヘイせんき）は、中国の漫画家・アニメ作家MTJJ（木頭）によるアニメ作品であり、彼が設立した北京寒木春華動画技術有限会社（HMCH）がその制作を手掛けています。この作品は、2011年3月から始まったWEBアニメシリーズに端を発しており、FLASHアニメ形式で制作された最初のエピソードが中国の動画共有サイトbilibiliに投稿された際、瞬く間に人気を集めました。主人公は黒猫の妖精・羅小黒（ロシャオヘイ）と、人間の少女・小白（シャオバイ）で、彼らの日常生活を中心に描かれています。

このアニメは、ほのぼのしたストーリーが視聴者の心をつかみ、再生回数はなんと7億回を超えるほどのヒットとなりました。その後も、2015年には外伝漫画も制作され、主役キャラクターのシャオヘイがSNSやキャラクターグッズにも展開されるなど、中国アニメ界の代表作の一つとして地位を確立しました。

さらに作品の人気を受けて、2019年にはMTJJ自身が監督をつとめる劇場アニメも公開され、タイトルは同じ『羅小黒戦記』ですが、サブタイトルは「ぼくが選ぶ未来」となっています。この映画はWEBシリーズのファンからも高く評価され、続編である『羅小黒戦記2』の制作も決定しました。続編は前作から2年後の物語として展開される予定で、声優陣も続投することが報じられています。また、WEBアニメの吹替版も2025年10月から放送されることが発表されています。

制作の背景

『羅小黒戦記』の第一話は、MTJJが膨大な時間を費やし、生活費を切り詰めながら一人で完成させました。その際、彼のインスピレーションの源は彼自身がかつて飼っていた黒い野良猫です。制作に要した費用は3000元（約4万6千円）で、MTJJは最初は少人数のアニメーター仲間たちと共にこの作品を創り上げました。制作当初のスタッフはごく限られており、わずか3人の作画者で合計でも約10人という規模でしたが、映画として昇華する際には美術学校時代の同窓生や後輩たちも招き入れ、最終的に50人ほどの大規模な制作体制が整いました。

制作スタジオである寒木春華スタジオは、MTJJが直接設立したため、彼が所有するコンテンツの権利や関連商品からの収益も全てスタジオに帰属しています。この独立した制作体制は、MTJJの創造性を最大限に発揮させる要因の一つと言えるでしょう。

関連作品

また、『羅小黒戦記』には複数の関連作品も存在します。2019年には主にWEBシリーズの前日譚にあたる映画が公開され、4年前のシャオヘイの冒険を描いています。さらに、2015年からは木頭の原作に基づき、孫呱による漫画作品「藍渓鎮 羅小黒戦記外伝」が展開されており、全ページがフルカラーで日本語版も発売されています。この漫画では、戦争で故郷を失った少女・清凝が神仙の老君の弟子となり、医術を学びながら成長していく姿が描かれています。

書籍情報

• - 作者: 木頭（原作）、孫呱（作画）
• - タイプ: 外伝的漫画
• - 出版社: KADOKAWA
• - 刊行状況: 既刊5巻（2025年11月8日現在）

このように『羅小黒戦記』は味わい深いストーリーと独特のキャラクターたちを通じて、多くの人々に感動を与え続けているのです。

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