羅府新報

羅府新報（らふしんぽう）

羅府新報は、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を構える日本語新聞です。この新聞は、多様性に富む地域社会において重要な役割を果たし、特に日系人コミュニティに対する情報源として知られています。

創刊の歴史

羅府新報は、1903年に南カリフォルニア大学の学生であった山口正治、渋谷清次郎、飯島栄太郎の3人によって創刊されました。当初は情報誌程度の発行であったものの、次第に本格的な新聞としての形を整えていきました。しかし、創刊当初は日本語版のみの発行となっており、英語版は1926年から始まりました。こうした展開により、異なる言語を話す読者層をも取り込むことに成功しました。

第二次世界大戦と休刊

1941年12月、日米間の戦争が勃発し、その影響を受けて日系人に対する強制収容が行われました。このため、1942年4月には新聞も休刊を余儀なくされました。多くのスタッフが収容所に移送された中、再び発行が行われることはありませんでした。しかし、その後1946年に復刊し、発行部数は500部に達しました。これ以降、新聞は再び地域社会の中心的な存在となりました。

現在の状況

現在、羅府新報は火曜日、水曜日、木曜日、土曜日の週4日間、約45,000部を発行しています。アメリカ国内における邦字新聞の中でも特に多くの読者に親しまれており、日系人や日本人コミュニティに強い影響を持つ存在です。特にロサンゼルスのリトル・トーキョーに本社を構えており、地域に密着した情報を提供しています。さらに、ウェブサイトを通じても記事を閲覧することが可能で、デジタル化にも対応しています。

経営の課題

しかしながら、経営は決して容易なものではありませんでした。2016年には経営危機に直面し、3年間で75万ドルの赤字が出ていると報告されました。このため、廃刊の可能性を警告する社告が掲載されたものの、その後も経費削減を進めつつ経営を行い、2022年現在まで発行を続けています。

名称の由来

「羅府新報」という名前は、ロサンゼルスを表す「羅府」と新聞を意味する「新報」を組み合わせて名付けられました。これは、新聞がどのような地理的背景のもとに存在するのかを強く反映したものです。

歴史の重要なマイルストーン

• - 1948年: 橋田悌穂が編集長に就任し、新聞のさらなる発展に寄与しました。
• - 1976年: 発行部数が2万部に達し、アメリカ国内で最大の日系新聞となります。
• - 1983年: 駒井・ヘンリー・豊策の孫が運営を開始し、羅府新報基金が設立されました。
• - 2005年: メイン街の本社ビルを売却し、リトル・トーキョーのウェラーコートに移転。
• - 2007年: 在ロサンゼルス日本国総領事館から表彰を受けるなど、国際的な評価も高まっています。

日本語の情報源としての役割を維持しつつ、地域社会に根ざした信頼できる情報を提供し続ける羅府新報は、今後も重要な存在であり続けることが期待されています。

もう一度検索