美保海軍航空隊

美保海軍航空隊概要

美保海軍航空隊（みほかいぐんこうくうたい）は、日本海軍に属する部隊であり、その教育機関としての役割も果たしました。場所は鳥取県西伯郡中浜村（現在の境港市）に位置し、この航空隊は多くの青年たちに航空の技術を教えるために設立されました。

設立と教育機関としての役割

美保航空隊は、特に1930年代後半における全国的な航空士の育成の必要性から設立されました。甲飛第13期の生徒たちは、その中でも特に多く、約30,000人が志願しました。この大量の志願者を受け入れるため、海軍は新たな教育部隊を設け、特に美保飛行場をその拠点として整備しました。1943年に美保を原隊とする第三八一海軍航空隊が開隊されたことで、訓練が加速しました。

工事は昭和14年に開始されましたが、初期の進捗は遅れていました。更なる整備のため、呉海兵団も関与し、工事は急ピッチで進められたものの、完工には至らず、最初の生徒たちも工事の手伝いをすることになりました。最初は若干の練習機も配備され、実際の飛行訓練も行われていました。

教育訓練の進展

1940年代に入ると、美保海軍航空隊はより多くの生徒を受け入れるようになりました。1944年の10月には、甲飛第14期と第15期の生徒も続々と入隊し、さらに美保飛行場の環境は整えられました。しかし、戦局の激化に伴い、急速な人員派遣や訓練プログラムの変更が相次ぎました。

第一・第二美保海軍航空隊の活動

第一美保海軍航空隊は、特に甲飛第13期の生徒に焦点を当てた訓練プログラムを提供しました。一方、第二美保海軍航空隊は、甲飛第12期以前の予科練生への教育を行うために1944年に設立されました。

1945年の春には、特に14期と15期の生徒が他の部隊に転出し、美保海軍航空隊は次第に空洞化していきました。美保飛行場はその後も利用され続け、新たに乙飛行隊が配置されることとなりましたが、本土決戦を迎えることなく終戦を迎えました。

戦後の展開と航空場の変遷

美保海軍航空隊の解隊後、飛行場は米軍に接収されることとなり、その後昭和33年に日本に返還されました。それ以降、航空自衛隊が駐留し、「米子空港」としても利用されることになりました。一方、柳本飛行場については、戦後農地として利用され、海軍の痕跡は薄れていますが、当時の防空壕など一部の施設は今も残っています。

主要機種

美保海軍航空隊では、様々な機上練習機が用意され、実技を通じた学びが重要視されました。甲飛生徒たちは、飛行技術の基礎をこの場所で学び、まさに空の世界に挑戦するための土台を築いたのです。

結論

美保海軍航空隊の設立と活動は、日本海軍の航空士を育成する上で非常に重要な役割を果たしました。多くの若者たちがここで彼らの夢を追い求め、戦争という厳しい時代の中で培った経験は、今日の航空界にも多くの影響を与えていることでしょう。

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