美容所

美容所（びようしょ）についての解説

概要

美容所とは、美容を目的とした業務を行うために設けられた店舗や施設のことを指します。具体的には、パーマやカット、化粧などのサービスを提供する美容院や美容室、またはヘアサロンと呼ばれることが一般的です。美容所では、和装に合わせた結い上げを行う店舗もあり、さらにシャンプーやリンス、ヘアコンディショナーといった製品も店販されています。

厚生労働省のデータによれば、令和3年度時点で全国には264,223軒の美容所が存在しており、そこで働く美容師の人数は561,475人に達しています。この統計を基にすると、1軒の美容所あたりの平均的な美容師の人数は約2.13人となっています。

また、Hot Pepper Beautyが2021年に実施した調査によると、女性の美容院利用率は81.5%、男性は34.0%であることがわかりました。加えて、利用経験においても女性は94.2%、男性は51.7%と、女性の方が高い傾向にあります。利用料金の平均は、女性が6,930円、男性が4,364円であり、年間の利用回数は女性で4.12回、男性で5.39回という結果が出ています。女性の平均利用時間は88分、男性は54分です。

美容所の休業日については、関西地域では月曜日、関東地域では火曜日が多く見られますが、最近では他の曜日に休業日を設ける店舗も増えています。

歴史

美容施設の歴史は1897年に始まります。この年、芝山兼太郎が外国の婦人向けのサロンを開業したことが「美容室」の始まりとされています。その後、1906年には東京京橋区に遠藤ハツが「遠藤理容館」を開店し、アメリカからパーマネントウェーブを持ち込むことで、日本の美容業界に新たな風を吹き込みました。

1923年には丸ビルに「丸ノ内美容院」が開業し、この時点では美容院は一般庶民からは遠い存在でした。1927年には法改正され、「美容術営業取締規則」が制定されることになりました。1942年には美容業務の主管が移行し、1957年には美容師法が制定されました。

特に注目すべきは、2015年の厚生労働省の新通知です。この通知により「美容室では男性にカットサービスを提供できない」といった旧規則が廃止され、男女問わず美容師がカットを提供することが認められ、以降男性客の増加が見られました。

さらに、美容室の店舗数は1989年には185,452軒から2019年には254,422軒へと増加しており、これは全国的に美容業界が成長を続けている証拠でしょう。

関連法規

日本における美容所の運営については、美容師法（昭和32年法律第163号）や厚生省の公衆衛生局長通知によって定められています。美容所を開設する際は都道府県知事への届け出が必要であり、その際には美容師免許も求められ、管轄の保健所に登録しなければなりません。このような法規制によって美容業界の質の向上が図られています。

結論

美容所は多様な美に関するサービスを提供するだけでなく、歴史的にも日本の文化や社会の変遷とともに発展してきました。今後も美に対するニーズは進化し続け、美容業界はさらなる成長が期待されます。

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