美少女プロレス 失神10秒前

『美少女プロレス 失神10秒前』は、1984年に日活が製作したロマンポルノ作品であり、那須裕之監督が手掛けた異色のプロレス映画です。この作品は、ただのセクシー映画ではなく、青春、スポ根、そしてSF的な要素を織り交ぜた、独特な魅力を持っています。

物語は、夢の島大学のプロレス研究会に無理やり入部させられた主人公メグ（山本奈津子）を中心に展開します。彼女は、先輩レスラーからのプレッシャー、アイドル研究会からのセクハラなど、数々の試練に立ち向かいます。さらに、ライバルレスラーである忍（小田かおる）との激しい対立、そしてボーイフレンドとの三角関係に悩まされながら、メグは成長していきます。物語のクライマックスは、研究会同士の対抗戦。メグは、自身の限界まで追い込まれながらも、隠された秘密の力を使って勝利を目指します。

実はメグには、タンポンを外すたびに超人的な力を発揮するという、ユニークな秘密がありました。この設定が、単なるプロレス映画とは一線を画す、本作の大きな特徴です。この秘密が、彼女の闘いにおいて重要な要素となります。

本作のキャストも個性的です。主人公メグを演じるのは、当時アイドルとしても活躍していた山本奈津子。そのライバルである忍役には、小田かおる。その他、渡辺良子、美野真琴、志水季里子、井上麻衣など、個性豊かな女優たちが脇を固めます。彼女たちの熱演が、物語をさらに盛り上げます。

監督の那須裕之は、本作の撮影後、東映に移籍しました。そのため、「美少女プロレス 失神10秒前」は、日活との契約上の義務を果たすために製作された作品とされています。しかし、その制約の中で、那須監督は、独自の世界観と映像美を追求しました。

本作は、単なるロマンポルノとしてではなく、青春群像劇、スポ根映画、そしてSF的な要素が融合した、非常にユニークな作品として評価されています。その特異な設定や、女性同士の激しいプロレスシーンは、多くの観客を魅了しました。

参考資料として、映画研究家のトーマス・ワイザー氏とユウコ・ミハラ・ワイザー氏による『Japanese Cinema Encyclopedia: The Sex Films』にも本作は紹介されています。また、インターネット映画データベース（IMDb）にも本作の情報が掲載されています。

『美少女プロレス 失神10秒前』は、1980年代の日本映画を語る上で欠かせない、異彩を放つ作品です。その独特な世界観と、個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語は、今でも多くのファンを魅了し続けています。

主な出演者:
篠原メグ: 山本奈津子
横山忍: 小田かおる
松森彩: 渡辺良子 (特別出演)
立野純子: 美野真琴
篠原マミ: 志水季里子
堀真由美: 井上麻衣 (特別出演)
山倉晶子: 萩尾なおみ
一ノ瀬かをり: 石井里花
白木きょう子: 天野みゆき
川本佳子: 別府みちる
鵜飼: 深見博
中津: 小宮山環
山下直美: 松沢さかえ
池下冴子: 佐藤ちの
真城和夫: 沢田勝美
鳥山紀恵: 竹田さなえ
森下: 高山広士
山田龍馬: 田浦智之
小月すみれ: 由利ひとみ
倉内: 大久保康治

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