群像新人長篇小説賞

群像新人長篇小説賞は、講談社が発行する文芸雑誌『群像』によって1978年に創設され、1982年まで実施された公募形式の新人文学賞です。同じく『群像』が主催する群像新人文学賞とは別の賞であり、長編小説に特化している点が特徴でした。

応募規定

発表頻度: 年1回
応募資格: 400字詰め原稿用紙換算で250枚以上600枚以内の長編小説
賞金: 受賞者には30万円が授与
掲載: 受賞作は選評と共に『群像』12月号に掲載

当選作一覧

第1回（1978年）: 土居良一「カリフォルニア」
第2回（1979年）: 五十嵐勉「流謫の島」、山科春樹「忍耐の祭」
第3回（1980年）: 大高雅博「旅する前に」、今井公雄「序章」
第4回（1981年）: 当選作なし、優秀作として高橋源一郎「さようなら、ギャングたち」
第5回（1982年）: 有為エィンジェル「前奏曲」

選考委員

第1回 - 第3回: 秋山駿、河野多恵子、野間宏、安岡章太郎
* 第4回 - 第5回: 秋山駿、大庭みな子、黒井千次、佐々木基一

この賞は、短い期間ながらも、多くの新しい才能を発掘し、文学界に貢献しました。特に、第4回では当選作は出なかったものの、高橋源一郎の「さようなら、ギャングたち」が優秀作として選ばれるなど、後の文学界を担う作家の初期作品を評価した点でも注目されます。

『群像』は、新人文学賞以外にも、様々な文学作品を発表する場を提供しており、日本の現代文学において重要な役割を果たしています。群像新人長篇小説賞は、その歴史の中で、新たな才能を発掘し、文学の可能性を広げる一翼を担ったと言えるでしょう。短い期間での終了となりましたが、過去の受賞作や選考委員の名前は、日本の文学史にその名を刻んでいます。

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