群馬県庁舎

群馬県庁舎の概要

群馬県庁舎は群馬県の行政機関が集まる重要な建物であり、その中心には群馬県知事と知事部局が位置しています。この庁舎は前橋城跡地にあり、周辺には県民広場、昭和庁舎、警察本部、群馬会館といった公共施設が併設されています。広場では毎年元日に全日本実業団対抗駅伝競走大会（ニューイヤー駅伝）が開催され、庁舎内ではTBSテレビが中継を行うための放送センターも設置されています。

昭和庁舎の歴史

1928年に建設された昭和庁舎は、長い間群馬県の本庁舎として利用されてきました。外観は洋風建築を基調とし、当時としては先進的なスチーム暖房や水洗トイレを備えていました。1996年には国の登録有形文化財に指定され、群馬県の文化財としての価値が認められています。以降、他の都道府県の庁舎も同様に登録されており、文化的な重要性を持つ建物として親しまれています。2001年には、ここで第16回国民文化祭の開会式が行われ、皇太子徳仁親王が出席したことでも知られています。

新たな庁舎とその特色

現在の群馬県庁舎は、1999年に完成した高さ153メートルの33階建ての超高層ビルです。耐震性や環境への配慮がなされ、地域のシンボルとして位置づけられています。県庁舎としては日本一の高さを誇り、31階にはレストラン、32階には市民に開放された無料の展望台があります。2020年にはこの32階で動画・放送スタジオ「tsulinos」が完成し、新たな地域活動の拠点となっています。

特に「tsulinos」は県民に愛される「上毛かるた」の一句に由来した名前で、県民とのつながりを意識しています。また、30階の一部が民間企業であるアクセンチュアに貸し出されることになり、初めて都道府県庁舎に民間オフィスが入居することとなりました。知事の山本一太氏はこの試みが地域のデジタル技術の向上に寄与することを期待しています。

付属設備と地域との関わり

庁舎前にはかつて「モニュメント21」という記念碑が制作されていたものの、資金や個人情報保護の観点から制作が凍結され、2022年に撤去されました。現在は芝生が広がり、県民広場として利用され、地域住民の交流の場となっています。また、群馬県のキャラクター「ぐんまちゃん」を象った石像も設置され、地域のシンボルとして愛されています。

このように群馬県庁舎は、行政機関としての役割だけでなく、地域の文化的・社会的な活動の中心としても機能しています。歴史的な意味合いを持つ建物と現代的な施設が融合し、県民とのつながりを大切にした新たな公共空間として、今後のさらなる発展が期待されます。

もう一度検索