翔んでる警視

『翔んでる警視』シリーズ：華麗なる刑事たちの物語

『翔んでる警視』は、故胡桃沢耕史氏によって生み出された人気推理小説シリーズです。1981年から1994年にかけて出版され、著者の死後もその人気は衰えることなく、現在に至るまで多くの読者を魅了し続けています。シリーズは、警視庁捜査一課の敏腕刑事・岩崎白昼夢の活躍を中心に展開されます。

主人公：岩崎白昼夢

岩崎白昼夢は、1955年4月生まれの東大卒のエリート刑事。国家公務員上級職行政科に3番の成績で合格するほどの優秀さで、警視庁捜査一課の殺人係に配属されています。月400万円の小遣いを持ち、愛車はBMWという、まさに勝ち組と言える生活を送っています。部下の志村みずえとの間に子供もおり、仕事と家庭を両立させる姿も描かれています。

相棒：志村みずえ

志村みずえは、岩崎白昼夢の部下で警部補を務める女性刑事です。白昼夢よりも3歳年上であり、既婚者でもあります。岩崎と共に数々の難事件を解決へと導いていく、頼もしい存在です。

多彩なシリーズ展開

『翔んでる警視』シリーズは、双葉社、廣済堂出版、天山出版、文藝春秋など複数の出版社から刊行されています。それぞれの出版社でシリーズ名やタイトルが異なっており、多様な作品群が展開されています。

シリーズ作品には、『翔んでる警視』『新・翔んでる警視』『翔んでる警視正』といったメインシリーズに加え、『翔んでる警視事件簿』、『警視正天山南路（シルクロード）を行く』などのスピンオフ作品も含まれています。題材も多岐にわたり、国際謀略から社会問題、そして人間模様まで、幅広く扱われています。

テレビドラマ化

『翔んでる警視』シリーズは、1986年と1987年にTBS系列でテレビドラマ化されました。主演は人気歌手・俳優の郷ひろみ氏が務め、岩崎白昼夢を熱演。その華麗な活躍と、個性豊かな登場人物たちが、多くの視聴者を魅了しました。各回2時間枠で複数のエピソードが放送され、その内容は原作小説を基に構成されています。

1986年放送の「翔んでる警視」では、東大卒の岩崎白昼夢が警視庁捜査一課に配属されたばかりの事件から、イタリアンマフィア絡みの事件、芸者殺害事件など、様々な事件が描かれました。共演には、志穂美悦子氏、浅野温子氏、伊東四朗氏、そして所ジョージ氏、石野真子氏、内田裕也氏、樹木希林氏といった豪華な俳優陣が脇を固めています。

1987年放送の「翔んでる警視II」では、郷ひろみ氏と大地真央氏、二谷英明氏、二谷友里恵氏などが共演。前作に劣らぬ豪華なキャストと、見応えのあるストーリーが展開されました。

シリーズの魅力

『翔んでる警視』シリーズは、単なる推理小説としてだけでなく、時代の変化や社会問題、人間関係などを反映した作品群として高く評価されています。エリート刑事の華やかな生活と、事件解決の裏にある苦悩や葛藤、そして人間味あふれる登場人物たちの描写が、多くの読者・視聴者の共感を呼び起こしています。シリーズの多くの作品は、現在でも入手可能です。様々な角度から社会や人生を見つめ直したい方、手に汗握るミステリーと人間ドラマを楽しみたい方にとって、このシリーズは必見です。

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