老齢福祉年金

老齢福祉年金とは

老齢福祉年金は、1961年（昭和36年）の国民年金制度発足時に、既に高齢であった等の理由により国民年金への加入が難しかった人々を救済するために設けられた、特別な年金制度です。国民年金制度と同時に発足しました。

制度の概要

財源: 全額が国庫負担（税金）で賄われる無拠出型年金です。
対象者:
1911年（明治44年）4月1日以前に生まれた方（国民年金制度発足当時50歳以上）: 保険料の納付状況に関わらず、70歳（障害者は65歳）から支給されます。
1911年（明治44年）4月2日から1916年（大正5年）4月1日までに生まれた方（制度発足当時45歳から50歳）: 保険料の納付状況に応じて、70歳（障害者は65歳）から支給されます。
支給額: 制度発足当初は年額12,000円（月額1,000円）でしたが、令和3年4月以降は年額400,100円です。支給額は物価変動等に応じて改定されます。
支給停止: 本人、配偶者、扶養義務者等の所得が一定以上ある場合、年金の一部または全部が支給停止となります。

制度の沿革

老齢福祉年金は、国民年金制度発足時の経過措置として設けられた制度です。そのため、国民年金法から老齢福祉年金の規定は削除されています。現在は、国民年金法等の一部を改正する法律（昭和60年法律第34号）附則の規定により、「なお従前の例」によるものとされています。

現在の状況

令和6年3月末現在、老齢福祉年金の受給者（全額支給停止者を除く）はわずか2名です。受給権者は360人となっています。

関連事項

* 日本の年金制度

老齢福祉年金は、国民年金制度の黎明期における特別な事情に対応するために設けられた制度であり、その役割は時代とともに変化しています。受給者数は年々減少しており、制度の役割は終わりに近づいています。

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