耳噛じる

マキシマム ザ ホルモン『耳噛じる』：初期衝動と封印の軌跡

『耳噛じる』は、マキシマム ザ ホルモンが2002年にリリースした初のフルアルバム。この作品は、彼らの初期の音楽性を色濃く反映しており、現在にも繋がる要素が多数含まれています。

概要

漫☆画太郎のジャケット

アルバムのジャケットは、漫画家の漫☆画太郎による書き下ろし。以降、ホルモンの作品では漫☆画太郎のイラストが定番となりました。当時、漫画家への依頼が流行していた背景もあり、「ホルモンらしさ」を追求した結果、漫☆画太郎に白羽の矢が立ったようです。依頼時には、他のバンドのジャケットを参考に「こいつらの耳をかじってやりたい」というメッセージを添えてFAXを送ったというエピソードが残っています。

タイトルと楽曲

アルバムタイトルは、彼らが当時所属していたレーベル名「ミミカジル」に由来します。収録曲の中には、「ポリスマンファック」や「パトカー燃やす」など、過激なタイトルの楽曲も存在します。これらの楽曲では、ナヲがボーカルを担当し、ダイスケはんがドラムを叩いています。歌詞は警察批判という内容から掲載されていません。

また、このアルバムから「亮君」が「マキシマムザ亮君」へと改名。バンド名を背負う覚悟を示しました。さらに、楽曲解説が初めて導入されたのも本作からです。

封印と復活

廃盤、そしてリアレンジへ

2015年3月、『耳噛じる』は廃盤となりました。しかし、同年11月には映像作品集『Deka Vs Deka 〜デカ対デカ〜』に、本作収録曲をリアレンジ・再レコーディングしたCD『耳噛じる 真打』が付属。これにより、オリジナルアレンジでのライブ演奏は、2015年の全国ツアー「『封印』～それでは皆さんマタニティ～」とワンマンライブ「白い暴動～あの頃、僕らは白Tだった～」を最後に封印されました。2017年のライブ活動再開以降は、『耳噛じる 真打』バージョンで演奏されています。

収録曲解説（一部）

握れっっ!!
2015年までライブアンコールの定番曲でした。

ジョニー鉄パイプ
ミニアルバム『肉コップ』にも収録されています。

三品-SANPIN-
曲解説はダイスケはんが担当。

NOBODYS
Nobodysのカバー。「I Hate Fuckin' Myself」と「Why Can You Stand?」のメドレー。

人間エンピ
後にシングル『包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ／霊霊霊霊霊霊霊霊魔魔魔魔魔魔魔魔』でセルフカバー。

まとめ

『耳噛じる』は、マキシマム ザ ホルモンの初期衝動が詰まった作品であり、彼らの音楽性の原点を知る上で欠かせません。漫☆画太郎のイラスト、過激な歌詞、そしてライブでの盛り上がり。これらの要素が組み合わさり、唯一無二の世界観を構築しています。オリジナル版の封印は惜しまれますが、『耳噛じる 真打』として新たな形で蘇った楽曲たちも、ホルモンの歴史を語る上で重要な存在です。

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