聖スルピス大神学院

聖スルピス大神学院

聖スルピス大神学院（せいスルピスだいしんがくいん）は、かつて福岡県福岡市城南区に設置されていた、カトリック教会によって運営される神学校です。この教育機関は、聖スルピス会によって運営されており、将来カトリック教会の司祭となる人材、特に教区司祭の育成を主な目的としていました。

概要と歴史

日本のカトリック教会において、聖スルピス大神学院は長い歴史を持つ重要な教育機関でした。かつて国内には教区司祭を養成するための神学校が限られており、当学院はそのうちの一つとして、多くの司祭候補者を受け入れてきました。

学院の起源は、1948年（昭和23年）に福岡市中央区の浄水通りに創立されたことに遡ります。創立当初、布教聖省（現在の福音宣教省）から地方神学校（Regional Seminary）としての正式な認可を受けています。その後、1950年（昭和25年）には、現在の所在地である福岡市城南区松山へと移転し、教育活動を継続しました。

21世紀に入ると、日本のカトリック教会における神学校教育のあり方が見直される中で、組織の再編が行われることになります。2009年（平成21年）2月2日に聖スルピス大神学院はその歴史にいったん幕を下ろし閉校しました。そして、同年4月には、東京に位置する東京カトリック神学院と統合され、新たな組織として「日本カトリック神学院福岡キャンパス」が設立されました。これは、東西二つの主要な神学校が連携し、より効率的かつ充実した司祭養成を目指す動きの一環でした。

さらに時を経て、2019年（平成31年）4月には、東京と福岡の諸教区が共同で運営する「東京・福岡諸教区共立神学校」が設立され、福岡のキャンパスは「福岡カトリック神学院」として再スタートを切りました。これは、地域教会の協力を強化し、司祭養成を支えるための新たな体制構築でした。

しかし、近年における神学生数の推移や教育体制の最適化といった課題に対応するため、再び組織の見直しが進められました。2024年（令和6年）3月には、福岡カトリック神学院が閉校することが決定され、教育機能は東京にある日本カトリック神学院へと集約されることになりました。これにより、日本国内の教区司祭養成は、基本的に東京に統合された「日本カトリック神学院」を中心に行われる体制となりました。

聖スルピス大神学院から始まった福岡の神学校教育は、その形態を変えながらも長らく日本のカトリック教会における司祭育成に貢献してきましたが、2024年の統合をもって、その独立した歴史に終止符を打つこととなりました。その跡地は、かつての学び舎として、多くの関係者の記憶に残されています。

所在地

聖スルピス大神学院が最終的に位置していた場所は、福岡県福岡市城南区松山1丁目1番1号でした。郵便番号は〒814-0131です。

関連事項

地域の歴史資料などにおいて、学院に関する記述が見られる場合があります。例えば、片江校区の郷土史に関する書籍などに、学院の設立や地域との関わりについて触れられている例があります。

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