聖ニノ

聖ニノ - グルジアのキリスト教伝道者

聖ニノ（せいニノ、グルジア語: წმინდა ნინო, ギリシア語: Αγία Νίνω, 英語: St. Nina）は、296年から338年または340年に生まれたとされ、4世紀におけるグルジア（現在のジョージア）で重要な役割を果たした女性の一人です。彼女はキリスト教をこの地域に広めたことで知られており、特にグルジア正教会を含む多くの教派で崇敬されています。

聖ニノの名前はグルジア語から派生したもので、英語やロシア語の表記からは「ニーナ」とも表記されます。日本の正教会では「ニーナ」という名前が一般的ですが、実際のグルジア語では「ニノ」と発音されます。彼女の記念日は、ユリウス暦を採用している正教会では1月27日、修正ユリウス暦やグレゴリオ暦を用いる教会では1月14日とされています。

聖ニノの伝承

聖ニノに関する多くの伝承が伝えられており、その中には彼女の出身地に関する異なる説も存在します。一般的には、彼女はカッパドキアのコラストラ出身であり、聖ゲオルギウスの親類であるとされます。また、別の伝承では、ローマ、エルサレム、またはガリア出身であるとも言われています。

聖ニノは奇蹟的な癒しを行う能力を持ち、グルジアの女王ナナをはじめ、多くの人々に影響を与えました。特に、異教徒であったイベリア王ミリアン3世をキリスト教に改宗させたエピソードは有名です。彼は狩猟中に失明し、「ニノの神」に祈りを捧げた後に視力を回復し、ついには327年にキリスト教を国教として制定しました。これにより、聖ニノはグルジアにおけるキリスト教伝道活動を生涯にわたって続けたとされています。

聖ニノの墓

聖ニノの埋葬地は、グルジア東部のカケティ地域にあるボドベ修道院です。この地は彼女をしのぶ場所として、彼女を崇敬する信者たちにとって神聖な意味を持っています。聖ニノはグルジア正教会において、非常に重要で崇敬される聖人の一人であり、彼女の象徴として知られる葡萄十字はグルジアのキリスト教のシンボルともなっています。

聖ニノの業績と影響は、グルジアの文化や歴史において色濃く残っており、彼女の教えは今なお信者たちに受け継がれています。彼女がこの地に与えた霊的影響は、グルジアのキリスト教徒の間で大切にされ続け、多くの人々にとって信仰の支えとなっているのです。

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