聖石の使徒

聖石の使徒

『聖石の使徒』は、前田珠子によって執筆されたライトノベルです。山本鳥尾がイラストを担当し、集英社のコバルト文庫から2001年8月から2011年4月にかけて刊行されました。

あらすじ

物語は、世界最北の大陸・豊珠のさらに北、玉濫という国のアスカニーリ神殿で修行に励む二人の少女、アラクセイトとソラミイノを中心に展開されます。彼女たちは「聖石の子供」と呼ばれ、特別な力を持っていました。

ある日、二人は珊瑚の使徒と共に、凍結した不凍湖へと向かうことになります。しかし、旅の途中、アラクセイトは世界を蝕む瘴気を放つ喪月神にさらわれてしまいます。過去にも喪月神による神隠しに遭ったことのあるアラクセイトは、自身の能力を制御できずにいましたが、持ち前の強運で本来の力を取り戻し、事件を解決へと導きます。

その後、珊瑚の使徒たちと世界を旅することになった二人は、鋼玉の使徒や、存在が秘匿された金剛石の子供・ガネルオージェと出会います。地神神殿に立ち寄った際、ソラミイノは兄に関する急な知らせを受け、故郷へと戻ります。そこで彼女は、5年前に失踪した兄と再会しますが、兄は以前とは変わってしまっていました。

変わり果てた兄を追うため、ソラミイノは家出を決行します。アラクセイトはそれを予期しており、珊瑚の使徒たちや神々の思惑も絡み合い、彼女の家出は成功します。ガネルオージェを仲間に加え、ソラミイノの兄に憑依して復活を遂げた喪月神に、彼女たちは立ち向かうことができるのでしょうか。

登場人物

主要人物

アラクセイト（アーク）

石墨の子供。紫紺の髪と黄燈色の瞳を持つ15歳の少女。火神イイタールの娘で、精霊を見ることができます。天然な性格で危なっかしい面もありますが、無意識に核心を突く発言をすることも。喪月神の瘴気を浄化する炎を操る力を持つため、喪月神に狙われやすい。
ソラミイノ（ミイノ）

砂金水晶の子供。白金色の髪と青緑の瞳を持つ15歳の少女。神殿での成績優秀で、次期使徒候補と目されています。面倒見が良く、アラクセイトの世話を焼きます。兄を奪った喪月神を追っています。
ガネルオージェ（ガネル）

金剛石の子供。黒髪と銀灰色の瞳を持つ青年。ある事情から成長が遅れており、外見は15歳前後にしか見えません。トリノアークとナウルニールの監督下に置かれています。破門された身であり、師匠の子供石を直すためアラクセイトらに同行します。

聖石の子供

他の聖石の子供として、蛍石の子供ライランテ、紅水晶の子供で王女のファラライネなどが登場します。外伝作品には、金真珠の子供シャラクセイタ、赤瑪瑙の子供サラナゲイダ、紅水晶の子供シオルリイダなどが登場します。

聖石の使徒

セイタマール（セイ）

血赤珊瑚の使徒。治癒能力ではなく攻撃に特化した異質な存在。寡黙な性格で、カーラトーニのストッパー役。アラクセイトとソラミイノの師匠格です。
カーラトーニ（カーラ）

黒珊瑚の使徒。感覚が非常に鋭い美女。水の加護が強すぎるため、過去に性別が流動していた時期があります。鉄火な口調で話します。
ナウルニール（ナニィ）

青玉の使徒。トリノアークとペアを組む。「ものぐさ」なコンビと評されています。
トリノアーク（トリノ）

紅玉の使徒。短絡的な行動に出ることが多く、相方に窘められています。美人が好き。

神々

世界の創造神セイトーリをはじめ、太陽神ライアトーリ、海神アイルトーリ、空神パルムローリ、地神アスカニーリ、火神イイタール、風神イーオダールなど、様々な神々が登場します。月神は三つ子の兄弟で、長男が喪月神、次男がサイサロール、末っ子が女神サラムトーリです。

用語

聖石

聖石の子供が生まれた時に抱いている石。彼らの半身とも言える存在です。
聖石の子供

聖石を抱いて生まれた子供。神殿に預けられ、力の制御法を学びます。
聖石の使徒

聖石の子供の中から神々に選ばれた者。ペアを組んで瘴気を浄化します。

既刊一覧

1. 其は焔をまとう者
2. 其は力を放つ者
3. 其は天秤をかざす者
4. 其は天秤をかざす者II
5. 其は水に遊ぶ者
6. 其は水に遊ぶ者II
7. 揺籃の瞳
8. 蒼の組木箱
9. 狩人の爪
10. 狩人の覚悟
11. 狩人の宝

外部リンク

* Webコバルト - 集英社コバルト文庫オフィシャルサイト

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