聖闘士星矢 (1987年の映画)

映画『聖闘士星矢 邪神エリス』の詳細

『聖闘士星矢』（セイントセイヤ）は、1987年7月18日に公開された劇場作品で、同名シリーズの初めての映画です。公開当初はそのまま『聖闘士星矢』と呼ばれていましたが、2004年にDVDがリリースされると、原作者である車田正美の提案により「邪神エリス」という副題が追加されました。この映画は、夏休みの特別上映としても知られる「東映まんがまつり」で公開され、他の作品とともに賑わいを見せました。

制作背景と特徴

本作は、非常に高い予算が投じられ、フルオーケストラによる音楽と映像特效が施されました。特に、テレビアニメ版にも携わってきた経験豊富なスタッフたちが制作に関わっており、作品はテレビ版の真っ直ぐなスタイルを意識して制作されています。時期的には、テレビアニメ版がクライマックスに近づきつつあり、このことで映画とアニメの人気が相乗効果を生みました。

監督の森下孝三は、初心者の視聴者に向けた配慮から、観客が原作に親しみを感じられるシンプルな作りを重視しました。主人公の星矢を際立たせるために、一人の敵キャラクターを主軸に据え、その他の敵キャラクターは補助的な役割に位置づけられましたが、この点に対し、ファンからは少しさびしい反応もあったと言われています。しかしこの手法は、作品の魅力を最大化させる意図がありました。

ストーリーの概要

物語は、不吉な彗星レパルスの影響で、封印されていた争いの女神エリスが復活することから始まります。エリスは星矢が育った孤児院の少女、相沢絵梨衣の体に憑依し、アテナを捕らえ、その精気を奪うことで自らを復活させようと企みます。星矢率いる青銅聖闘士たちは、アテナを救うためにエリスと彼女が復活させた亡霊聖闘士たちとの戦闘に挑むことになります。彼らは死の世界から蘇った聖闘士たちと戦い、運命を賭けた壮絶なバトルが繰り広げられます。

ゲストキャラクター

この映画において、エリスは青髪に赤いローブをまとい、手に矛を持つキャラクターとして描かれます。彼女は亡霊聖闘士たちを操り、混乱と恐怖をもたらそうとしますが、最終的には星矢が射手座の聖衣をまとい、エリスの計画を阻止します。さらに重要なキャラクターとして相沢絵梨衣が登場し、エリスに体を支配される役割を担って物語に深みを増しています。

影響と後の展開

この映画の展開やキャラクターは、後の劇場作品や原作にも影響を与えていくことになります。特に、星矢が弓矢を使うストーリー展開は後続作品において繰り返し見られる要素となります。また、亡霊聖闘士の設定も原作の冥王編に引き継がれることになりました。2011年にはこの作品を基にした舞台も上演されました。

まとめ

『聖闘士星矢 邪神エリス』は、アクションと魅力的なキャラクター、深いストーリー展開が評価され、多くのファンに愛される作品となりました。映画には、原作に基づく重要な要素が豊富に詰まっており、後のシリーズへの影響も考慮されている点がポイントです。本作は、聖闘士星矢シリーズの一環として、長きにわたってファンに支持され続けています。

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