聖霊会

聖霊会について

聖霊会（しょうりょうえ）は、聖徳太子に深い関わりのある寺院、四天王寺で毎年開催される特別な法要です。この行事は聖徳太子の命日を祝うもので、江戸時代までは旧暦の2月22日に行われていましたが、現在では4月22日に実施されています。聖霊会は古くから続く伝統的な祭礼で、「おしょうらい」とも呼ばれることがあります。

この行事は四天王寺における最も重要なイベントの一つであり、千年以上にもわたる歴史と格式を誇っています。特に、名古屋地方の伝統文化や難波芸能が舞楽という形で披露される貴重な機会とされています。1977年には、この舞楽が日本の重要無形民俗文化財に指定され、その意義がさらに高まりました。

舞楽は、本来、境内に設けられた六時堂の前にある石舞台にて演じられます。聖霊会に出演する演者たちは、主に雅亮会という団体から派遣され、天王寺方の伝統を受け継いでいます。この舞楽は、古典芸能としての側面も持ち、『徒然草』にもその重要性が触れられるなど、多くの人々に高く評価されています。舞楽は、続く世代にわたって忠実に伝承され、観客に感動を与え続けています。

伝統的な式次第

聖霊会の式次第は、現在では半日間の催しとなっていますが、かつては午前4時に始まり、終日続けられていました。多くの演目が舞われ、音楽と舞いの調和が観客を魅了しました。江戸時代の明治3年までは、太子堂での四箇法要が前半に行われ、その後、楽人や僧侶による行進が行われて、聖徳太子の像と仏舎利が六時堂に運ばれました。その後、舞楽と法要が一体となった儀式が行われ、参加者にとっては大変な娯楽にもなっていました。

現在の聖霊会では、六時堂前の舞台で総礼伽陀という声明曲が唱えられ、その後、舞楽が行われる部分のみが集中的に行われる形式となっています。この変更は、現代の参加者にとっても分かりやすく、よりアクセスしやすい形となるように工夫されていると思われます。

聖霊会の意義

聖霊会は、四天王寺の伝統文化を守り育てる重要な行事であり、地域の人々にとっても特別な意味を持つ場となっています。聖徳太子の教えやその功績が後世に伝わる場として、参加者は毎年この行事を楽しみにしています。また、四天王寺以外にも法隆寺でも聖徳太子にちなんだ行事が行われており、こちらは「お会式」と呼ばれになります。法隆寺では、10年に1度行われる特別な法要・大会式では、聖霊会に似た舞楽が奉納されます。

聖霊会は、古来から続く文化を支える大切なイベントであり、これからもその魅力を伝え続けていくことでしょう。

もう一度検索