職務責任局

職務責任局（OPR）とは

職務責任局（OPR）は、アメリカ合衆国司法省（DOJ）の一部で、不正行為や法令違反の申し立てに対する調査を専門としています。主な目的は、DOJに所属する弁護士が専門的かつ倫理的な基準に従って職務を遂行しているかどうかを監視し、評価することです。

設立の背景

OPRは、1975年に設立されました。その背景には、ウォーターゲート事件があり、当時の司法省高官による重大な倫理的誤信や職権乱用が明らかになったことが影響しています。エドワード・レヴィ司法長官は、高官の行動に関する情報を受け取り、確認する機関としての役割をOPRに与えました。この設立により、DOJの透明性を高め、職員の行動が倫理基準に照らして適切であることが求められるようになりました。

領域と職務

OPRは、DOJの弁護士に関する倫理的な基準や犯罪的行為に関する独立した調査を担当しています。また、司法機関の監察を行うOIG（監察総監室）は、弁護士以外のDOJ職員に関する監視を行います。OPRは多様な情報源から不正行為に関する申し立てを受け取りますが、その半数近くは、当事者である弁護士やDOJの関係者からの内部通報です。

その他の申し立ては、民間の弁護士、被告、訴訟関係者、他の連邦機関、州および地方政府関係者、報道機関などからも寄せられます。したがって、OPRは、司法機関の不正行為に関する調査を迅速に実施することが求められます。

調査プロセス

OPRは収集した申し立てをもとに、それぞれの案件についての調査を開始するかどうかを判断します。この判断には、申し立ての内容、信憑性、具体性、検証の容易さ、および出処など、様々な要素が考慮されます。調査を開始しても、すぐに違法行為があったとは推定されず、立証責任が被疑者に転嫁されることもありません。

調査の際には、OPRが被疑者である弁護士に対して通知を行い、回答書の提出を求めることが一般的です。一部のケースでは、現地調査が行われることもあります。調査結果は、関係部署の責任者や副検事総長室に報告されるほか、結論は原告および被告の弁護士にも通知されます。

歴代のリーダー

OPRは1975年の設立以来、数人のトップによって運営されてきました。初代のマイク・シャヒーン氏から始まり、次第に歴代のリーダーが役割を引き継いでいます。具体的には:

• - 1975-1997年: マイク・シャヒーン
• - 1998-2009年: H・マーシャル・ジャレット
• - 2009-2011年: メアリー・パトリス・ブラウン（臨時責任者）
• - 2011-2018年: ロビン・C・アシュトン
• - 2018-2019年: コーリー・R・アムンドソン
• - 2020年から現在: ジェフリー・R・ラグスデール（2019年9月から2020年5月まで臨時責任者）

結論

職務責任局は、アメリカ合衆国における司法における透明性を維持するために重要な役割を果たしています。DOJ内での不正行為に関する調査を独立して行うことで、弁護士の職務倫理の確保に貢献しています。

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