股旅グラフィティ

『股旅グラフィティ』

概要

『股旅グラフィティ』は、1977年11月にビクターレコードから発売された橋幸夫のオリジナルアルバムで、LP盤（カタログ番号：SJX-20029）として知られています。このアルバムは、彼の代表作『潮来笠』でのデビュー以来、多くの股旅物を発表してきた橋幸夫が新しい試みに挑戦した作品です。

アルバム制作の背景として、橋が長年作詞を担当してきた恩師・佐伯孝夫の高齢化に伴い、新作の制作が難しくなっていたことが挙げられます。そのため、ビクターレコードのディレクターである飯田久彦が、作詞家阿久悠とのコラボレーションを提案しました。この提案は「新しい作家による股旅物」として企画され、橋自身も過去に阿久と共演した経験があったため、スムーズに実現しました。

アルバムの発売に際しての帯には「今までにないユニークで、面白い”股旅もの”」とのキャッチコピーが記載されており、期待の高さが伺えます。特に、阿久悠作詞、吉田正作曲による新曲「さらば渡り鳥」が1曲目として収録され、アルバムのリリースに先立ってシングルとしても販売されました。また、佐伯孝夫の過去の楽曲も新たなアレンジで5曲収録されています。

収録曲

A面

1. さらば渡り鳥
作詞：阿久悠、作・編曲：吉田正
新たな股旅物の幕開けを飾る一曲。

2. 星の三度笠
作詞：佐伯孝夫、作曲：吉田正、編曲：近藤進
伝統的な股旅の情景を思わせる楽曲。

3. やぶれ笠
作詞・曲：中山大三郎、編曲：荒木圭男
しっかりとしたメロディが特徴的です。

4. 沓掛時次郎
作詞：佐伯孝夫、作曲：吉田正、編曲：荒木圭男
懐かしさを感じさせる名曲。

5. 中仙道未練旅
作詞：中山大三郎、作曲：伊藤正行、編曲：あかのたちお
感情豊かな歌詞が印象的。

6. 潮来笠
作詞：佐伯孝夫、作曲：吉田正、編曲：荒木圭男
橋幸夫の代表曲ともいえる名作。

B面

1. 急ぎ旅
作詞：石原信一、作・編曲：あかのたちお
旅の緊迫感が伝わる楽曲。

2. 風の三度笠
作詞：村松道平、作曲：吉田正、編曲：近藤進
風の情景を描写した詩が魅力。

3. ちぎれ雲
作詞：石原信一、作・編曲：あかのたちお
夢の世界へのいざないを感じさせる曲。

4. 花の喧嘩旅
作詞：佐伯孝夫、作曲：吉田正、編曲：
戦いの中でも美しさを感じる楽曲。

5. 人情紙風船
作詞：石原信一、作・編曲：あかのたちお
人情味あふれる心温まる曲。

6. 佐久の鯉太郎
作詞：佐伯孝夫、作曲：吉田正、編曲：荒木圭男
地域の魅力を表現した作品。

このアルバムは、橋幸夫が新たな作家と共に挑む意欲作であり、聴く者に新しい股旅の世界を体験させる力を持っています。

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