背炙り山空中ケーブル

背炙り山空中ケーブルは、かつて福島県会津若松市が運営していた索道であり、東山温泉と背炙り山を結んでいました。このケーブルは、観光客や地元住民にとって、手軽に山頂へアクセスできる手段として利用されていました。

建設の経緯

1955年末に会津若松市議会で建設が可決され、翌年1月に定礎式が行われました。そして、1956年8月10日に第1ケーブルが開業しました。このケーブルは、東山温泉から背炙り山の黄金丘までを結び、建設費用は約5000万円でした。

第1ケーブルの路線は、全長1040m、標高差375mで、所要時間は5分でした。31人乗りのゴンドラ2機が運行し、それぞれ「あさぎり」「ゆうぎり」という愛称が付けられました。開業当時の料金は、大人片道70円、往復130円でした。

1962年9月22日には、第2ケーブルが開通しました。このケーブルは、背炙り山の黄金丘から関白平までを結び、路線長は700m、高低差は60mでした。15人乗りのゴンドラ2機が運行し、それぞれ「青い鳥」「赤い鳥」と名付けられました。

廃止までの経緯

しかし、1970年代頃から、山頂への県道が整備されたことにより、ケーブルカーの利用客は減少していきました。市は、アスレチック施設や無料キャンプ場を設けるなど、経営改善策を講じましたが、利用客の減少を食い止めることはできませんでした。

1984年4月にはケーブルの運行を休止し、1985年4月1日をもって廃止となりました。かつては多くの人々が利用した背炙り山空中ケーブルは、その役目を終え、歴史の中に姿を消しました。

背炙り山空中ケーブルは、開業当初は会津若松市の観光振興に大きく貢献しましたが、時代の変化とともにその役割を終えました。しかし、その存在は、会津若松市の歴史の一部として、今もなお語り継がれています。

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