背負子

背負子とは

背負子（しょいこ）は、荷物をまとめて背負い、運搬するための道具です。この運搬具は、木や竹、アルミニウムなどを素材とした枠を持ち、背負縄を取り付けて使用します。背負子には、いくつかの異なる呼称があり、例えばしょいわく、おいこ、せいたなどがあります。また、キャリーボーンという類似の構造を持つ器具も存在します。

背負子の歴史と利用

自動車による輸送が普及する前の時代、特に山村では薪を運ぶための長距離運搬具として重宝されていました。背負子は、左右に縦棒があり、これに繊維や皮製の背負縄を結びつけて使用します。荷物をしっかりと運ぶことができるため、比較的重い物も背負うことが可能です。

背負子には、右と左にそれぞれ背負縄が設けられたものが一般的ですが、時には一本の縄で胸から吊るす形式の物も存在します。また、背負子の下部には「爪」と呼ばれる荷台が付いているものと、付いていないものがあります。急な坂道が多い地域、例えば長崎市では、自動車が進入できない場所への宅配便配達や引っ越しの際にも背負子が活用されています。

登山と背負子

1990年代に入ると、アメリカから軽金属製の背負子が持ち込まれ、若い登山者たちの間で人気を集めました。この新しい背負子は以前使われていた横長のバックパックよりもスタイリッシュで、さらに背負いやすかったため、多くの支持を得ました。ただし、北アルプスなどの岩場の多い地域では、パイプの出っ張りが岩に触れ、体が振り回されるという危険があったため、数年で人気が衰退し、再び縦長のリュックサック主流に戻りました。

関連する運搬具

背負子に関連する運搬具として、以下のようなものがあります。

• - 木負子（きおいこ）: 木製の梯子の形をした背負い梯子で、農作業や山仕事に利用されていました。
• - 巻負子（まきおいこ）: ソヨゴやガマズミなどを骨組みにして、藁縄で巻いた運搬具で、肥料の運搬によく用いられました。
• - 背子（せご）: 葦やガマを編んで作られた運搬具で、主に一升瓶や山仕事の際に利用されました。

防災用途

最近では、災害時の要救助者を移送するために背負子を利用する動きも見られています。そのための特化した背負子式の避難器具の開発も進められています。

このように、背負子は多様な用途で活用されており、その歴史や使用方法も興味深いものです。

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