胸筋神経

胸筋神経について

胸筋神経は、大胸筋と小胸筋という胸部の主要な筋肉を支配する神経です。これらの筋肉は、肩甲帯と上肢の動きに不可欠であり、胸筋神経の機能は、腕の動作、姿勢の維持、呼吸など、多くの重要な活動に影響を与えます。

胸筋神経の種類

胸筋神経は、以下の2つの神経に分類されます。

1. 外側胸筋神経: 外側胸筋神経は、主に大胸筋の鎖骨部と胸肋部を支配します。この神経は、腕を内側に回旋させたり、内転させたり、肩を前方に突き出す動作に関与します。また、腕を高く上げる動作にも補助的に関わります。

2. 内側胸筋神経: 内側胸筋神経は、大胸筋の胸肋部と腹部、そして小胸筋を支配します。この神経は、肩甲骨を前方に引き出す、肩を下げる、胸郭を安定させるなどの動作に関与します。また、呼吸を補助する役割も担っています。

胸筋神経の走行

外側胸筋神経は、腕神経叢から分岐し、鎖骨下動脈および鎖骨下静脈の後ろを通り、大胸筋の外側部分へと進みます。一方、内側胸筋神経も腕神経叢から分岐しますが、外側胸筋神経よりも下方を通り、小胸筋を貫通して大胸筋の内側部分へと分布します。

胸筋神経の損傷

胸筋神経は、外傷、手術、圧迫などによって損傷を受けることがあります。胸筋神経が損傷すると、支配下の筋肉の機能が低下し、腕や肩の動きに支障をきたす可能性があります。症状としては、腕を上げたり、内側に回旋させたりする力が弱くなる、肩甲骨の安定性が失われるなどが挙げられます。

胸筋神経損傷の診断と治療

胸筋神経損傷の診断には、神経学的検査、筋電図検査、画像検査などが用いられます。治療は、損傷の程度や原因によって異なりますが、保存療法（リハビリテーション、薬物療法など）や手術療法があります。リハビリテーションでは、筋肉の強化や柔軟性の向上、代償運動の習得などを目指します。手術療法では、神経の圧迫を取り除いたり、神経を修復したりします。

まとめ

胸筋神経は、肩甲帯と上肢の運動において重要な役割を果たす神経であり、外側胸筋神経と内側胸筋神経の2つに分かれています。胸筋神経の損傷は、腕や肩の機能に影響を与える可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

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