能代地震

能代地震の詳細

能代地震（のしろじしん）は、元禄7年（1694年）6月19日に発生した大地震であり、現在の秋田県能代市を震源としています。この地震は能代南方地震や能代大地震とも呼ばれ、その規模はマグニチュード7前後と推測されています。この地震によって引き起こされた影響は甚大であり、特に能代市周辺で深刻な被害が広がりました。

地震の概要

能代断層帯が活動したことが地震の主な原因とされています。断層帯は能代市を南北に貫通しており、全長約22kmにわたっています。この地震の影響を受け、42の村で被害が報告され、家屋の倒壊や焼失が多発しました。具体的には、1,273戸の家屋が倒壊し、859戸が焼失、死者は394人に達しました。

震源地の野代では、总戸数1,132戸のうち実に1,070戸の家屋が全壊または焼失し、300名もの人々が命を落としました。さらに、秋田城下やその他の地域でも家屋や町が被害を受け、山崩れが発生したり、岩木山の硫黄坑が発火するなど、地震の影響は広範囲に及びました。津波についても、この地震によって20～30cmの規模で発生したと考えられています。

宝永の地震とその影響

約10年後の宝永元年（1704年）5月27日にも、能代地域を震源とする再度の大地震が発生しました。この地震は岩館地震や能代北方地震とも呼ばれ、再び記録的な被害をもたらしました。M7前後とされるこの地震は、前回から復興したばかりの野代に再び大きな打撃を与えました。

焼失した家屋の数は約2,000戸、死者は70人以上とされます。地震によって引き起こされた山崩れは広範囲にわたっており、青森県深浦町では川がせき止められ、十二湖という湖が形成される要因となりました。野代は1,250戸の戸数のうち、倒壊が435戸、焼失が758戸となり、再び58人が亡くなりました。

度重なる災害に悲しむ人々は、地域名を改名することに決めました。古名「ヌシロ」が「野」と「代」に分かれることを避け、「能く代わる（よくかわる）」と解釈できる「能代」に改名したのです。その後、1983年の日本海中部地震が発生するまで、能代地域では大きな地震による影響は見られませんでした。

参考資料

能代地震に関する研究は数多く行われており、特に今村明恒氏の論文が有名です。彼の研究により、この地域の地震の歴史やその影響について詳しい資料が得られています。

日本海東縁変動帯や、津波の波源に関する研究も進められており、今後の防災活動や影響の評価に役立てられています。能代地震は、歴史的にも重要な地震の一つとして位置づけられています。本地震を通じて、今後の災害への備えや地域の防災に対する意識の向上が期待されます。

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