脈動白色矮星

脈動白色矮星について

脈動白色矮星（Pulsating white dwarf）は、光度が非動径脈動によって変動する特性を持つ白色矮星の一種です。この星は、数百秒から数千秒の振動周期を持ち、光度の変化幅は1%から30%と非常に小さいのが特徴です。脈動白色矮星の観測は、星震学的な知見をもたらし、白色矮星の内部構造の理解を深める手助けをしています。

脈動白色矮星の分類

脈動白色矮星は、主に以下の4つのタイプに分類されます。

1. DAV型（ZZ Ceti）

このタイプは水素の吸収線を持つ白色矮星で、最初に観測された時期は1965年および1966年です。おうし座のV411星がこのタイプの最初の例として挙げられ、約12.5分の変光周期を持ちます。現在知られている範囲では、これらの星は30秒から25分の周期で脈動し、11,100Kから12,500Kの有効温度を示します。これによってDA型の白色矮星の冷却周期を調べることができ、銀河円盤の年齢推定にも寄与しています。

2. DBV型（V777 Her）

ヘリウムの吸収線を持つこのタイプは、1982年にD. E. Wingetらが提案し、それに基づいてGD358が発見されました。これは予測に基づく初めての観測例であり、その後1985年にヘルクレス座のV777星として分類されました。この星々の有効温度は約25,000Kです。

3. GW Vir型

このタイプの白色矮星は、ヘリウム、炭素、酸素の吸収線を持ちます。GW VirはさらにDOVやPNNVに分類されることもありますが、これらは厳密には白色矮星に遷移途中の天体です。プロトタイプとして知られるおとめ座GW星は1979年に変光が発見され、1985年にGW Vir型として分類されました。その有効温度は75,000Kから200,000Kに達することが確認されています。さらに、脈動周期は300秒から5000秒の範囲に広がっています。

GW Vir型の脈動の原因に関しては、1980年代から研究が進められましたが、そのメカニズムについては未解明の部分が残っています。初めは光球下層のイオン化された炭素と酸素によるκ-機構が作用するのではないかと考えられていましたが、ヘリウムの存在がこの理論に影響を与える可能性が指摘されています。

4. DQV型

DQV型は炭素吸収線を持つ新たに明らかにされたタイプです。Patrick DufourやJames Liebertらによってその存在が示唆され、理論的にはその大気が部分的にイオン化された温度で脈動していると考えられています。SDSS J142625.71+575218.3が初めてのDQV天体として提案されており、今後の観測が期待されています。

まとめ

脈動白色矮星は、天文の研究において重要な役割を果たしており、その多様なタイプは宇宙の理解を深めるために重要な情報を提供しています。観測技術の進展により、今後も新たな発見がなされることが期待されています。

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