膜厚計

膜厚計の全貌

膜厚計（まくあつけい）は、塗装やめっき、さらにはアルマイトやライニングなどにおいて、皮膜の厚さを正確に測定するための重要な計測器です。これらは、主に工業分野や半導体製造などで広く使用されており、膜厚測定は材料品質の保持に欠かせません。本稿では、膜厚計の種類やそれぞれの特徴、主な用途について詳しく解説します。

膜厚計の種類

膜厚計には、さまざまな広りを持つタイプが存在します。それぞれの原理を理解することが、適切な選択を行うための鍵となります。

1. 電磁式膜厚計

電磁式膜厚計は、電磁誘導の原理を用いて磁性金属の素地に上にある非磁性皮膜の厚さを測定します。これにより、主に鉄板などの磁性材料に塗布された塗膜の厚さを計測することが可能です。

2. 渦電流式膜厚計

このタイプの膜厚計は、渦電流を利用して非磁性の金属に塗布された絶縁皮膜の厚さを測定します。非鉄金属への応用が多いのが特徴です。

3. 超音波式膜厚計

超音波式膜厚計は、測定対象に接触した超音波のプローブが送信し、反射波を受信するまでの時間から膜厚を算出します。この方法は、物質の音速が既知の場合に有効です。

4. 光学式膜厚計

光学式膜厚計は、干渉計の原理を用いて、参照光と膜を透過・反射した光によって生じる干渉縞から膜厚を測定します。ただし、これは透明な材料でなければ測定ができません。

5. 蛍光X線式膜厚計

この膜厚計は、蛍光X線を用いた測定方法で、対象物の材料に依存することなく高精度な測定が可能です。

6. 渦電流位相式膜厚計

渦電流の位相を基に膜厚を測定する方式で、通常は銅板などの非磁性金属に塗布された塗膜の測定に用いられます。

7. 電気抵抗式膜厚計

このタイプの膜厚計は、膜の電気抵抗を利用して膜厚を測定します。特に導電性コーティングの測定に適しています。

膜厚計の用途

膜厚計は、多岐にわたる用途に活用されます。主な用途には以下が含まれます。

• - 塗装: 塗装厚さの測定は品質管理に必須です。
• - めっき: 表面処理を行った金属商品の膜厚確認。
• - アルマイト: アルミニウムの表面処理膜厚を測定。
• - ライニング: 胴体内側の保護膜の厚さを確認。
• - 半導体製造: 半導体デバイスにおける絶縁膜の厚さを測定。

代表的なメーカー

膜厚計を製造する代表的なメーカーには、エレクトロフィジック、浜松ホトニクス、サンコウ電子研究所、ケツト科学研究所、フィッシャー・インストルメンツ、マミヤ・オーピー、キーエンス、オリンパス、フィルメトリクスなどがあります。これらのメーカーは、それぞれの技術を駆使して高精度な膜厚計を提供しています。

関連項目

膜厚計と同様の原理を用いた計測には、超音波探傷検査があります。これにより、内部の亀裂や空洞を検出することも可能です。

膜厚計は、製造や検査の現場において欠かせない存在であり、膜厚を適切に管理することで、製品の品質を確保することができます。

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