自分の説明書

自分の説明書

「自分の説明書」（じぶんのせつめいしょ）は、血液型占いの要素を取り入れたユニークな自己分析、性格診断ツールです。あらかじめ用意された項目の中から自分に当てはまるものをチェックしていくことで、自身の性格や行動パターン、傾向などを知ることができるというものです。

この形式のコンテンツは様々なメディアで展開されました。その中心となったのは書籍ですが、それ以外にもゲームソフト、携帯電話向けのコミュニケーションサイト、さらには話す機能を持つ時計などのグッズとしても登場し、多くの人々に親しまれました。

ブームの始まりと広がり

「自分の説明書」が大きな注目を集めるきっかけとなったのは、Jamais Jamais（じゃめじゃめ）氏による著書『B型自分の説明書』です。この本は2007年9月に文芸社から出版されました。

当初、この書籍は自費出版という形で1000部が発行されたに過ぎませんでした。しかし、山形県内のある書店で静かに人気を集め始めたことが、全国的なブームへとつながる火種となりました。このローカルな人気が、新聞、雑誌、テレビ番組、さらには著名人のブログなどで取り上げられるようになり、次第に注目度が高まっていきました。結果として、『B型自分の説明書』は全国的なベストセラーとなり、その成功を受けて、他の血液型を対象としたシリーズが次々と刊行されることになったのです。

書籍シリーズの成功

『B型自分の説明書』に続き、血液型シリーズとして主要なA型、O型、AB型の書籍が相次いで出版されました。2008年8月には、これらの主要4血液型の本が出揃いました。これらのシリーズは驚異的な売れ行きを示し、2008年度にはトーハン、日販、オリコンといった主要な書籍売上ランキングで、4作品すべてが年間ベストセラーのトップ10にランクインするという快挙を成し遂げました。

文芸社の発表によると、2009年時点での各血液型シリーズの累計発行部数は、『B型自分の説明書』が約165万部、『O型自分の説明書』が約148万部、『A型自分の説明書』が約135万部、『AB型自分の説明書』が約92万部に達しました。合計すると、主要4タイプだけで累計540万部を超える大ベストセラーシリーズとなったことがわかります。その後、2009年12月には『I型自分の説明書』も刊行されています。

さらに、2012年12月には「選択」というテーマを新たな切り口とした続編シリーズが、主要4血液型向けに同時発売され、再び話題となりました。

多様なメディア展開

書籍の大ヒットを受けて、「自分の説明書」はメディアミックスも積極的に行われました。ニンテンドーDS向けに『みんなで自分の説明書 〜B型、A型、AB型、O型〜』としてゲームソフト化されたほか、携帯電話の公式サイトとしても展開されました。また、タカラトミーからはキャラクターグッズとして、血液型をモチーフにした「しゃべる時計」であるクロックマンシリーズが登場。リバプールからはフラッシュアニメーションのDVDも発売されるなど、様々な形でファンを楽しませました。

これらの展開を通じて、「自分の説明書」は単なる読み物にとどまらず、人々の間で話題を共有したり、お互いを理解したりするためのコミュニケーションツールとしても機能し、一種の社会現象として広く認知される存在となりました。

主な書籍シリーズ一覧

単行本

Jamais Jamais『自分の説明書』文芸社
B型自分の説明書（2007年9月15日）
A型自分の説明書（2008年4月20日）
AB型自分の説明書（2008年6月20日）
O型自分の説明書（2008年8月5日）
I型自分の説明書（2009年12月20日）
続B型自分の説明書（2012年12月15日）
続A型自分の説明書（2012年12月15日）
続AB型自分の説明書（2012年12月15日）
続O型自分の説明書（2012年12月15日）

文庫版

Jamais Jamais『文庫 自分の説明書』文芸社文庫
文庫 B型自分の説明書（2011年2月15日）
文庫 A型自分の説明書（2011年2月15日）
文庫 O型自分の説明書（2011年2月15日）
文庫 AB型自分の説明書（2011年2月15日）
文庫 続B型自分の説明書（2015年12月4日）
文庫 続A型自分の説明書（2015年12月4日）
文庫 続AB型自分の説明書（2015年12月4日）
* 文庫 続O型自分の説明書（2015年12月4日）

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