自動車ターミナル法

自動車ターミナル法について

自動車ターミナル法（昭和34年法律第136号）は、バスターミナルやトラックターミナルなどの自動車ターミナル事業に関する許可制や規制を定めた日本の法律です。

この法律の目的は、自動車ターミナル事業の適正な運営を確保し、自動車運送事業者とターミナルを利用する人々の利便性を向上させることで、自動車運送事業の健全な発展に寄与することです。

法律の構成

この法律は、以下の構成で成り立っています。

第1章：総則（第1条・第2条）
法律の目的や用語の定義などが規定されています。
第2章：自動車ターミナル事業（第3条 - 第14条）
自動車ターミナル事業の許可や運営に関する規定が設けられています。
第3章：専用バスターミナル（第15条・第16条）
専用バスターミナルの設置や使用に関する規定が定められています。
第4章：雑則（第17条 - 第22条）
その他の必要な事項に関する規定が設けられています。
第5章：罰則（第23条 - 第26条）
法律に違反した場合の罰則が規定されています。
附則
法律の施行に関する事項などが規定されています。

自動車ターミナルの定義

この法律における「自動車ターミナル」とは、旅客の乗降や貨物の積み下ろしのために、自動車運送事業の事業用自動車を2両以上同時に停留させる目的で設置された施設を指します。ただし、道路の路面など一般交通の用に供する場所を停留場所として使用するものは除外されます。

自動車ターミナルは、以下の種類に区分されます。

一般自動車ターミナル：自動車運送事業者が自社の事業のために設置した以外のターミナル。
バスターミナル：一般乗合旅客自動車運送事業（路線バスなど）に使われるターミナル。
一般バスターミナル：専用バスターミナル以外のバスターミナル。
専用バスターミナル：一般乗合旅客自動車運送事業者が自社の事業のために設置したバスターミナル。（バス会社が自社用に設置したもの）
トラックターミナル：一般貨物自動車運送事業（トラック輸送）に使われるターミナル。
（一般自動車ターミナルではないもの）：自動車運送事業者が自社の事業のために設置した自動車ターミナル。

令和2年度の道路法改正により、道路の付属物として同等の特定車両停留施設の規定が設けられました。

規制の内容

自動車ターミナル事業を経営するためには、ターミナルごとに、かつ種類ごとに、国土交通大臣の許可が必要です。

また、ターミナルの使用料金は、国土交通大臣への届出制となっています。

専用バスターミナルを使用開始する際には、事前に国土交通大臣の確認を受け、基準に適合していることが必要です。

これらの規制に違反した場合、最大で100万円以下の罰金が科せられることがあります。

下位法令

この法律を具体的に運用するために、以下の下位法令が定められています。

自動車ターミナルの位置、構造及び設備の基準を定める政令
自動車ターミナル法施行規則

まとめ

自動車ターミナル法は、自動車ターミナル事業の健全な発展を促し、利用者と事業者の双方にとってより良い環境を整備するための重要な法律です。この法律によって、バスやトラックなどのターミナルが適切に管理され、安全で円滑な自動車運送事業が実現されています。

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