自性院 (新宿区)

自性院

自性院（じしょういん）は、東京都新宿区西落合一丁目にある真言宗豊山派の寺院です。この寺院は、古くから地域の人々に親しまれており、特に猫との縁が深いことで知られています。

歴史

寺伝によれば、自性院の起源は平安時代にまで遡ります。弘法大師（空海）がこの地を訪れた際、観音像を建立し供養したのが始まりと伝えられています。長い歴史の中で、自性院は地域の人々の信仰を集め、多くの文化財や歴史的な遺産を今に伝えています。

猫寺としての側面

自性院は「猫寺」という別名でも知られています。この名前の由来は、室町時代の文明9年（1477年）に起こった江古田・沼袋原の戦いにまつわる伝承にあります。戦で道に迷い苦しんでいた武将・太田道灌の前に一匹の黒猫が現れ、自性院へと導き、危機を救ったとされています。道灌は、この猫に深く感謝し、その死後、猫を供養するために地蔵像を奉納しました。これが「猫地蔵」と呼ばれるようになったと伝えられています。

また、江戸時代には、猫の顔を模した特徴的な地蔵像も新たに奉納され、現在では、猫地蔵と共に、毎年2月3日に開帳されています。この開帳日には、多くの参拝客が訪れ、猫の恩恵に感謝するとともに、猫の健康や幸せを祈願します。

その他の文化財

境内には、室町時代のものと推定される板碑も存在します。この板碑は、新宿区の指定文化財となっており、自性院の歴史的価値を物語る貴重な遺産です。

主な施設

自性院の境内には、以下の施設があります。

本堂：寺院の中心となる建物で、仏像が安置されています。
猫地蔵堂：猫地蔵が祀られているお堂で、招き猫なども奉納されています。猫好きにはたまらないスポットです。
六地蔵：六体の地蔵菩薩が並んでおり、参拝者の安全と幸福を祈願しています。
自性院会館：葬儀など、多目的に利用できる施設です。

アクセス

自性院へのアクセスは非常に便利です。

公共交通機関：都営大江戸線「落合南長崎駅」から徒歩2分です。
拝観時間：日中の時間帯のみ可能です。拝観料は無料です。
* 駐車場：駐車場も完備されています。

まとめ

自性院は、歴史と文化に彩られた、魅力的な寺院です。特に猫との深い縁を持つことから、多くの人々から「猫寺」として親しまれています。都心にありながら、静かで落ち着いた雰囲気を持つこの場所は、都会の喧騒を忘れ、心静かに過ごしたい時におすすめです。猫好きはもちろんのこと、歴史や文化に興味がある方も、ぜひ一度訪れてみてください。

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