自由連合盟約

自由連合盟約（Compact of Free Association, COFA）

自由連合盟約（じゆうれんごうめいやく）とは、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオの3カ国とアメリカ合衆国との間に結ばれた協定であり、これらの国々は「Compact」とも呼ばれています。この盟約の目的は、各国の独立を承認しながら、経済的な支援を行うことです。ただし、安全保障の面ではアメリカが主導的な役割を持つことが特徴です。この協定の成立により、これらの国々はアメリカと連携を深める意義を持つ一方で、他国に軍事・外交権を委ねた状態が独立と呼べるか否かについて未だに多くの議論があります。

概要

自由連合盟約を締結する以前は、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオの各国は国連の信託統治領として、1947年から1951年にかけてはアメリカ海軍に、以降はアメリカ内務省により統治されていました。信託統治制度は本来、自治や独立の可能性がない地域に対して施政国が暫定的に管理し、将来的に自治をさせることを目的としていますが、アメリカは軍事的価値を重視し、独立に向けた有効な措置を講じていませんでした。そのため、1961年には国連によるミクロネシア諸島の視察で非難を受ける事態となります。これを受けたアメリカは調査団を派遣し、国連との調整を行い、結果的に安全保障を確保した形で信託統治からの移行が行われました。

盟約の締結

1982年、マーシャル諸島とミクロネシア連邦の間でこの自由連合盟約に署名が行われ、1983年の住民投票を経て承認され、1986年にアメリカ合衆国から法案が通過しました。一方、パラオは1982年に署名が完了しましたが、住民投票での承認が得られず、1993年に行われた投票で条件を緩和して承認され、1994年に施行されました。

盟約の内容

この合意により、マーシャル諸島とミクロネシア連邦は15年間、パラオは50年間の有効期間を設定しました。アメリカ合衆国がこれらの国々の国防権を全面的に握り、外交権についても一定の制限がかかります。アメリカは内務省を通じて15年分の財政支援を保障し、それに伴い国防と外交権の部分をアメリカが掌握します。また、これらの国々は技術援助にも参加することとなり、特別な待遇として米国の災害復旧プログラムにも組み込まれました。

形式上は独立国として国連に加盟していますが、実質的にはアメリカの影響力の強い状態が続いており、国連総会での票の一致率も高い傾向があります。

盟約の更新

2003年、マーシャル諸島とミクロネシア連邦の盟約は更新され、20年間の延長が決定しました。この更新は「COMPACT II」と呼ばれ、新たに35億ドルの財政支援が保証されるとともに、移民へのサービスに対する3,000万ドルも提供されることとなりました。また、ミサイル試験のための使用権も同様に延長されました。他方、出入国管理が改正され、住民がアメリカに旅行する際にはパスポートが必要となりました。さらに、緊急時のプログラムへの参加も終了し、郵便事業については米国内の価格体系に段階的に変更されました。このように、自由連合盟約は各国の独立性に影響を及ぼしつつ、アメリカとの密接な関係を維持しています。

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