自衛消防組織 (防火対象物)

自衛消防組織について

自衛消防組織は、消防法に基づき、一定規模以上の防火対象物に設置が義務付けられている、事業所の従業員による自衛消防組織です。消防法第8条の2の5、または危険物を大量に取り扱う事業所に対しては消防法第14条の4に基づいて編成されます。

設置が義務付けられる防火対象物

以下の大規模建築物等は、自衛消防組織の設置が義務付けられています。複数の管理権原者がいる場合は、共同で組織を設置する必要があります。

劇場、風俗営業店舗、飲食店、百貨店、ホテル、病院・社会福祉施設、学校、図書館・博物館、公衆浴場、車両の停車場、神社・寺院、工場、駐車場、その他事業場、文化財
地階を除く地上階数が11階以上の建物で、延べ面積が10,000平方メートル以上のもの
地階を除く地上階数が5階から10階の建物で、延べ面積が20,000平方メートル以上のもの
地階を除く地上階数が4階以下の建物で、延べ面積が50,000平方メートル以上のもの
延べ面積が1,000平方メートル以上の地下街
複合用途防火対象物
11階以上の階にある防火対象物で、延べ面積10,000平方メートル以上のもの
5階以上10階以下の階にある防火対象物で、延べ面積20,000平方メートル以上のもの
4階以下の階にある防火対象物で、延べ面積50,000平方メートル以上のもの

自衛消防業務講習

2007年の消防法改正により、一定規模以上の防火対象物では、自衛消防業務講習の修了者を統括管理者や本部隊の各班長として配置した自衛消防組織の設置が義務付けられました。

管理権原者は、講習修了者を責任者である統括管理者や各班の班長に任命し、設置届を消防署長等に提出する必要があります。講習は各自治体の消防局や委託された機関で実施されます。

東京消防庁管内では、防災センター要員講習と自衛消防業務講習が同一カリキュラムで実施され、2日間の講習（座学1日、実技1日）の最後に効果測定が行われます。修了者は両方の講習修了証を取得できます。

自衛消防業務講習修了者は、講習後5年以内ごとに再講習を受ける必要があります。

講習科目

東京都で実施される講習科目は以下の通りです。甲種防火管理講習と防災管理講習の修了証を既に取得している場合、1日目の座学が免除されます。

1. 防火管理及び防災管理の意義及び制度
2. 自衛消防組織並びにその統括管理者及び要員の役割と責任
3. 防災設備等に関する知識
4. 防災設備等の取扱い並びに自衛消防組織の統括管理者及び要員の災害対応に係る総合訓練
5. 効果測定

自衛消防組織の編成

統括管理者や本部隊の各班長は、自衛消防業務講習の受講対象者となります（受講資格は特にありません）。

本部隊の編成例

通報連絡班：火災の発見、消防機関への通報、関係者への連絡を担当
初期消火班：消火器や屋内消火栓等を用いた初期消火活動を担当
避難誘導班：避難経路の確保、避難誘導、負傷者の救出・搬送を担当
応急救護班：負傷者に対する応急手当、救護活動を担当
地区隊

参考文献

消防法の実務 : テーマ別ユニット解説単元　消防法研究会編著　東京法令出版　ISBN 978-4-8090-2295-1

関連項目

消防計画
防火管理者
防災管理者
防火管理技能者
自衛消防技術試験
防災センター
防災センター要員
特定一階段等防火対象物

外部リンク

一般財団法人 日本消防設備安全センター

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