自衛隊ハイチPKO派遣

自衛隊ハイチPKO派遣について

自衛隊ハイチPKO派遣とは、2010年にハイチ共和国で発生した大震災による国際的な人道支援の一環として、日本の自衛隊が派遣された活動です。この派遣は、日本の国際平和協力法に基づき行われ、地震からの復興を手助けすることを目的としました。

概要

2010年1月12日、ハイチで発生した地震は、20万人以上の命を奪い、多くの人々の生活を一変させました。この災害の影響を受け、国際連合安全保障理事会は、ハイチにおける安定化任務を強化するため、決議第1908号を採択しました。これを受け、日本政府は救援活動の一環として自衛隊の派遣を決定し、施設部隊がハイチに着任しました。

自衛隊が派遣した部隊は主に施設科から成り、彼らの任務には倒壊した建物の瓦礫の撤去や道路の整備が含まれていました。それに加えて、特別に資格を持った防衛技官も同行し、専門的な支援を提供しました。

活動の期間は3年間で、撤収作業が行われるまで多くの支援を展開しました。特に目を引くのは、自衛隊が使用していた重機のハイチ政府への譲渡です。この譲渡は、自衛隊の重機が「武器」の定義に該当するため、武器輸出三原則の緩和によって実現しました。譲渡に際して、ハイチ政府とのあいだで軍事目的への利用禁止という合意が結ばれました。

沿革

2010年

• - 1月25日: 防衛大臣が国際連合ハイチ安定化ミッションに関する指示を発出。
• - 2月5日: ハイチ国際平和協力業務実施計画が閣議で決定される。
• - 2月6日: 国際救援隊の隊旗授与式が行われる。
• - 2月8日: 第1次隊の第一陣が現地に到着。
• - 2月17日: 現地活動を開始。
• - 3月13日: 第2次隊に指揮を引き継ぎ。
• - 4月21日: 防衛技官が帰国。
• - 8月28日: 第3次隊に指揮を引き継ぎ。
• - 11月16日: 派遣期間の延長が閣議決定。

2011年

• - 2月25日: 第4次隊に指揮転移。
• - 8月23日: 第5次隊に指揮転移。

2012年

• - 1月20日: 派遣期間が2013年1月31日まで延長されることが閣議で決定。
• - 2月24日: 第6次隊に指揮転移。
• - 7月17日: 撤収準備開始が発表される。
• - 10月15日: 防衛大臣が活動終結の命令を出し、撤収作業が開始。
• - 11月15日: 撤収に先立つ式典が行われる。
• - 12月18日: 自衛隊の重機および設備の譲渡が閣議で決定。

2013年

• - 3月15日: ハイチPKOへの全隊の撤収が完了する。

部隊構成

ハイチ派遣国際救援隊は陸上自衛隊の施設部隊から約350名で構成され、重機や車両約150両が派遣されました。これには重機のほか、運搬用トラックや軽装甲車も含まれています。全隊員の中には国連要員も含まれ、現地での支援活動に積極的に関与しました。

このように、自衛隊のハイチPKO派遣は、日本が国際的な人道支援において果たすべき役割を再確認させる重要な取り組みとなりました。

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