自転車活用推進研究会

自転車活用推進研究会とは

自転車活用推進研究会（じてんしゃかつようすいしんけんきゅうかい）は、日本国内での自転車の活用を促進する特定非営利活動法人（NPO法人）です。この組織は、都市交通における自転車の権利を取り戻すことを目指し、自転車政策の現在の状況を調査・研究し、総合的な自転車政策づくりの提案を行っています。

この会は2000年9月に任意団体として創立し、2006年には東京都からの認証を受けて特定非営利活動法人として正式に設立されました。すでに多くの研究者、自転車愛好者、メディア関係者、NPO関係者、自転車業界のプロフェッショナルらで構成されており、会費、寄付、事業委託を通じて運営されています。

また、1999年に設立された超党派の議員で構成される自転車活用推進議員連盟とも強い連携を持ち、その諮問機関としての役割も果たしています。

活動目標

自転車活用推進研究会は、以下のような主要な活動目標を掲げています。

• - 安全な自転車走行空間の確保: 歩行者や車と分けられた自転車道を普及させること。
• - 駐輪空間の確保: 駅前及び中心市街地に適切な駐輪スペースを提供すること。
• - 自転車の正しい利用法の普及: 環境や健康、交通、経済の観点から自転車を利活用する適切な方法について広めること。
• - 自転車通勤の推進: 自転車通勤を後押しするための制度を構築・促進すること。
• - 政策立案の提案: 自転車活用政策の策定と実施に向けた提言を行うこと。
• - 利用者同士の交流の促進: 自転車利用者の意見を集約し、政策に活かすための交流機会を創出すること。
• - 法令遵守の促進: 自転車社会にふさわしい環境を整えるため、自転車利用者自身が法律を守る意識を高めること。

これらの目標は、特に自転車の歩道通行権の拡大に関する運動に反映されています。2006年度には、道路交通法の改正による自転車の歩道通行拡大への反対運動を最大のテーマにしていました。

具体的な活動

自転車活用推進研究会の主な取り組みの一つは、定期的に開催される「自転車活用研究会」のセミナーで、年間報告書も発行されています。東京での開催に加えて、2011年度からは大阪でも同様のイベントが実施されています。また、月刊機関誌『自転車DO!』を発行しており、PDF版が電子メールで配信されています。バックナンバーは、自転車DO!の関連サイトからダウンロードすることも可能です。

さらに、エコサイクル・マイレージというプロジェクトでは、サイクロコンピュータを使用して自転車の走行距離や時間を測定し、エコ活動として環境負荷を数値化しています。この活動は韓国などの他国にも広がりを見せています。また、「自転車DO!」というオンラインプラットフォームを通じて、自転車走行空間を確保するための啓発イベント「自転車DO!カフェ」も展開されています。

さらに、自転車活用の模範となる著名人を表彰する制度もあり、これまで多くの著名人が受賞しています。初代受賞者である忌野清志郎から始まり、様々な分野で活躍する人物が選ばれています。

全国連絡会

自転車活用推進研究会は、全国的な自転車環境の整備を目指す「全国歩道連絡会」（全歩連）も支援しています。この組織は2006年に設立され、決して無視できない影響力を持つ自転車利用者の意見を結集し、政策に反映させる活動を行っています。

結論

自転車活用推進研究会は、自転車の利用促進と都市交通における自転車の権利の確保に向けて幅広い活動を展開しています。この活動を通じて、より安全で快適な自転車社会の実現を目指し、多くの人々に自転車の価値をしっかりと伝えています。

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