臭気判定士

臭気判定士（しゅうきはんていし）について

臭気判定士は、悪臭防止法に基づいて設立された日本の国家資格です。この資格を取得するためには、公益社団法人におい・かおり環境協会が実施する試験に合格する必要があります。また、試験に合格した後には嗅覚検査にも合格することが求められ、これは各検査機関で実施されます。合格後、正式に免状が交付されます。

職務内容

臭気判定士は、1996年の悪臭防止法改正により、臭気指数測定法に基づく臭気の管理・統括を行います。この職務は、悪臭の発生源である事業者に対して市町村が改善勧告や命令を行うための測定値を算出するものです。また、この測定値は罰則にも影響を与えるため、臭気判定士は環境保全に貢献する重要な役割を担っています。

職務の具体例

1. パネルの選定
嗅覚に異常のない人を、臭気判定のためのパネルとして選定します。これは、5種類の基準臭を嗅ぎ分ける能力を持つ人々から行われます。

2. 試料の採取
排出口の特徴（高さや臭質）を確認し、現場で試料を採取します。特に、排出口の高さが15m以上の場合には、流量測定を行い、臭気指数求めるためのデータを収集します。

3. 判定試験の実施
無臭の室内で臭気指数を測定し、パネルに試料が入った袋と無臭の袋を用意して、どの袋に臭気が含まれているかを選んでもらいます。試験は、無臭になるまで続けられ、基準にしたがって行われます。

4. 結果のまとめ
試験後は、得られたデータを法に従って計算し、臭気指数を導き出します。臭気濃度の求め方には幾つかの式が存在し、具体的な計算を行います。

試験について

臭気判定士試験は、18歳以上であれば誰でも受験することが可能で、毎年11月中旬に全国の指定された場所（東京、大阪、名古屋）で行われます。受験者は、筆記試験合格前でも嗅覚検査を受けることができ、その有効期限は1年間です。試験内容には、嗅覚の基礎、悪臭防止行政、悪臭測定概論、臭気指数の実践などが含まれます。

嗅覚検査

嗅覚検査は、特別な嗅覚の能力を必要とせず、受験者の約95%が合格しています。検査では、番号が付けられた5本のにおい紙を用いて、臭気を嗅ぎ取る能力が評価されます。この検査が行われる期間は受験前後であり、必要な手続きに従って受けることができます。

免状の取得と更新

免状の有効期限は5年であり、更新の際には再度嗅覚検査を受ける必要があります。更新時に必要な手数料や検査費用も新規申し込み時と同じです。また、更新ごとに登録番号には記号が追加され、独自性が保たれます。

著名な臭気判定士

著名な臭気判定士としては、オドレートの代表取締役である石田翔太氏や共生エアテクノの松林宏治氏などがいます。彼らは、臭気に対する理解を深めるために活動し、関連する啓蒙活動にも力を入れています。

まとめ

臭気判定士は、悪臭防止法に基づいて設置された日本の国家資格であり、環境保護における重要な役割を果たしています。その活動は、単に悪臭を測定するだけでなく、環境保全に向けた改善提言にもつながるため、非常に意義深い職務と言えるでしょう。

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