臼井勝美

臼井勝美の生涯と業績

臼井勝美（うすい かつみ、1924年11月4日 - 2021年9月24日）は、日本の歴史学者であり、特に近代日中関係史の研究において著名です。彼は栃木県に生まれ、京都大学の文学部史学科を1948年に卒業した後、外務省に入省し外交官としてのキャリアをスタートさせました。臼井の学問的な貢献は、歴史研究のみならず、公文書の編纂にも及びました。

外務省での活動

外務省では、栗原健の指導のもとで外交文書の編纂に寄与し、その経験は後の研究活動にも大きく影響しました。彼は外務省在職中から「日本外交文書」の編纂にも関与し、国家の外交史を理解するための重要な資料を整備しました。外務省を退職した後も、彼はさまざまな学術的なプロジェクトに参加し、特に日中関係に関する研究に注力しました。

学界での活躍

臼井は1965年に電気通信大学の助教授として教育界に足を踏み入れ、その後1968年には九州大学の助教授に就任しました。1975年には筑波大学の教授に就任し、1988年には同大学の名誉教授となりました。その後、桜美林大学で教授として活躍し、1995年に退職しました。彼のキャリアを通じて、多くの学生に歴史への情熱を伝えました。

主な著作

臼井勝美は、多数の著作を通じて歴史学界に貢献しました。彼の代表的な単著には、以下の作品があります。

• - 『日中戦争 和平か戦線拡大か』（中央公論社、1967年）
• - 『日中外交史 北伐の時代』（塙書房、1971年）
• - 『日本と中国 大正時代』（原書房、1972年）
• - 『満州事変 戦争と外交と』（中央公論社、1974年）
• - 『中国をめぐる近代日本の外交』（筑摩書房、1983年）
• - 『満洲国と国際連盟』（吉川弘文館、1995年）
• - 『日中外交史研究 昭和前期』（吉川弘文館、1998年）
• - 『新版 日中戦争 和平か戦線拡大か』（中央公論社、2000年）

また、彼は多くの共著や編纂史料も手掛け、特に日中戦争とその影響に関する知識を広めるための努力を続けました。

結末

臼井勝美は2021年9月24日に逝去し、彼の功績は日本の歴史学に多大な影響を与えました。特に日中関係に関する研究は、今後の学問にも引き継がれていくことでしょう。彼の業績は、現代においてもなお研究者や学生たちにとって重要な指針となっています。

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