興亜専門学校 (旧制)

興亜専門学校の歴史と背景

興亜専門学校（こうあせんもんがっこう）は、1941年に設立された旧制専門学校であり、後の亜細亜大学の前身として知られています。この学校は、日本における大東亜共栄圏構想に基づいて、当時の国民的な思想を反映し、有能な人材の育成を目的に開校されました。

設立の背景には、1941年4月に創立された財団法人興亜協会があります。同協会は、興亜専門学校を附属機関として設立し、その初代校長には陸軍軍人で貴族院議員に就任した菊池武夫が選ばれました。興亜協会の理事長としても彼が主要な役割を担っていました。さらに、岩田愛之助（愛国社社主）や藤原繁（国士舘専門学校学生監）、太田耕造（貴族院議員）、松尾忠二郎（播磨造船所社長）など、さまざまな著名な人物が学校設立に関与しました。

興亜専門学校の設立には、国士舘専門学校の興亜科を担当していた藤原繁など、多くの教職員が協力しました。そのため、国士舘専門学校および国士舘大学の正史では、興亜科がこの専門学校から分離した経緯があったことが記されています。設置申請者が財団法人国士舘であった一方、興亜科自体は独立した経営を行っており、結果として興亜専門学校の設立により興亜科は廃止されました。

教育制度としては全寮制を採用し、構成は第一部（満蒙支科）、第二部（南方科）、第三部（内地科）の3つの部門に分かれていました。教職員は早稲田大学や明治大学などから招聘され、豊富な学識と経験を持つ人材たちが学生たちを指導しました。卒業生には、田中六助のような著名な人物が名を連ねています。

時代が進むにつれて、1945年9月25日に行われた理事会で財団法人興亜協会が寄附行為の変更を決定しました。この結果、興亜協会は財団法人日本経済専門学校に改称され、また興亜専門学校は日本経済専門学校へと名前を変えました。興亜専門学校の大陸科や南洋科は廃止され、新たに内地科を拡充した経済科が設置されました。

その後、この法人は学校法人猶興学園、さらには学校法人亜細亜学園と名称を変更し、設立した学校も日本経済短期大学や亜細亜大学へと発展していく過程を経ました。興亜専門学校の基盤は、その後の高等教育の発展に大きな影響を及ぼすものとなりました。

このように、興亜専門学校は日本における専門教育の歴史において重要な役割を果たし、教育機関の変遷を通じて国際的な視野を持つ有能な人材の育成に寄与しました。

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